
先日転倒し、人生で初めて骨折して手術を受けた。生温かい手術台に横たわり無機質な手術室におびえたのもつかの間、全身麻酔が効き、気が付くと病室のベッドで手術の終了を告げられる“タイムワープ”を経験した◆点滴から解放されて病棟内を散策すると、日当たりの良さに心地よさを感じた。筆者がお世話になっている診療科には高い場所に窓がいくつもあり、閉鎖的な気持ちにならずに治療が受けられる◆高度な医療機器や設備によって設計に大きな制限がかかる病院建築。自然光を多く取り入れたり、空間を広く使えるようにしたりして、より良い環境を実現するには建設技術が不可欠だ。デジタル技術を活用し、病院運営を支援するゼネコンの例もある◆院内で快適に過ごせる“匠の工夫”を探しつつ、今後の治療に臨みたい。