国立大学等施設整備6次5計の整備目標/加速化案818万㎡ 1.4兆円/文科省 | 建設通信新聞Digital

12月25日 木曜日

行政

国立大学等施設整備6次5計の整備目標/加速化案818万㎡ 1.4兆円/文科省

【段階的案は668万㎡ 1.3兆円】
 文部科学省は27日、第6次(2026-30年度)国立大学法人等施設整備5カ年計画の整備目標と整備費試算額の案をまとめた。老朽改善整備のうち性能維持改修は、加速化整備と段階的整備の2案を提示。老朽改善整備の大規模改修・改築などと、ライフライン更新、新増築整備、付属病院整備も合わせた5年間の全体整備目標は、加速化案が818万㎡で1兆4542億円、段階的案が668万㎡で1兆3341億円となった。
 整備目標の2案は、27日に開いた「今後の国立大学法人等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議」(主査・西尾章治郎阪大総長)に提示した。会議での議論などを踏まえ、12月9日に開く次回会議で整備目標を固める。12月末には整備目標を含む最終報告書をまとめ、26年3月に文科省が6次5計を策定する。
 付属病院を除く建物の物理的な性能を維持するために屋上防水や外壁の外部改修などを実施する性能維持改修の加速化整備案は、6次5計期間中に老朽施設となる経年20-24年の未改修施設を含め、経年35年未満までの未改修施設を全て性能維持改修する。その整備量は432万㎡で3456億円と試算した。
 一方、経年15年以上の未改修施設も含め、経年35年未満までの未改修施設を10年間で性能維持改修する段階的整備案は、6次5計で5割を整備することから、整備量が282万㎡となり、整備試算額は2255億円となった。
 これに経年45年以上で、大規模改修後25年以上経過した施設を全て性能維持改修する93万㎡(746億円)と、経年35年以上45年未満で至急対応が必要な施設の1割を性能維持改修する14万㎡(111億円)を合わせた性能維持改修の全体整備量は、加速化案が539万㎡で4313億円、段階的案が389万㎡で3112億円となる。
 一部施設の取り壊しも含む大規模改修・改築などは240万㎡、5486億円と試算した。その結果、老朽改善整備は、加速化案が779万㎡で9799億円、段階的案が629万㎡で8598億円になる。
 ライフライン更新は、配管・配線が2176㎞、640億円、設備機器が3496台、1203億円。新増築整備は15万㎡で780億円、付属病院整備が25万㎡で2121億円と試算している。
 両案とも、5年間の整備試算額は、現行5次5計の推計額約1兆0500億円を上回る。6次5計終了時の老朽状況(保有面積に占める「未改修」と「部分改修済み」の面積の割合の老朽化率)は、6次5計開始時の32.5%から、加速化案が10.7%に大きく改善する。段階的案でも16.7%に改善される。
 整備目標は、国立大学法人などの全体として、今後必要な整備量を把握するため一定の仮定に基づき試算した。
 会議では、6次5計の整備目標にかかわらず、新増築整備で国大法人全体として総保有面積を増加させないことが重要などと記載した最終報告素案も示し議論した。