川田テクノロジーズ/人型ロボ開発本格化/AIが人をアシスト | 建設通信新聞Digital

12月5日 金曜日

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川田テクノロジーズ/人型ロボ開発本格化/AIが人をアシスト

機材センターで動く人型ロボット
 AI(人工知能)で現場の景色は一変する--。国土交通省は1日のi-Construction・インフラDX推進コンソーシアムで、AIがロボットを動かす「フィジカルAI」の推進を表明した。建設現場の省人化を見据えたもの。AIの一般化をきっかけに、“考える”人型ロボットの実現が現実味を帯びている。橋梁メーカーの川田テクノロジーズでは、試作機の運用試験も始まった。受注産業の機械化は難しい。そんな常識が変わりつつある。 川田テクノロジーズは今年に入り、人型ロボットの開発を本格化している。3月にフィジカルAIを研究する「AIロボット協会」に設立メンバーとして参画。今秋には、最新人型ロボットの現場試験を始めた。11月には、人工的に触覚を再現するリアルハプティクスのロボット実装を進めていることも明らかにした。人と協業する汎用(はんよう)ロボットの開発を目標としており、運用時の可能性、課題出しを進めている。
 今秋、グループ傘下の川田建設の機材センターで人型ロボット「HRP-2」の運用試験を始めた。大型の専用機で製造環境自体をガラッと変えるファクトリーオートメーションとは真逆で、現場環境は変えず、人が働く環境にロボット側を適用させる。
 部品の分類・整理・搬送といった細かくボリュームの少ない業務は現在、人間が行っている。これをロボットがサポートし、協業時の課題を洗い出す。将来的には、AIが状況を判断し、人をスムーズにアシストする汎用型ロボットにする。
 直近で公表したリアルハプティクスの研究では、慶応義塾大学と共同で取り組む。手で触れたときの感触を人工的に再現する技術を人型ロボット「NEXTAGE」に実装する。ロボットが取得した触覚情報を、遠隔地の操作者が体感できる。技術が一般化すれば、より繊細な作業が遠隔で行えるようになる。