不動テトラ・日本製鉄/鉄鋼スラグ活用の新地盤改良材料/コスト40%削減、環境負荷も低減 | 建設通信新聞Digital

12月5日 金曜日

企業

不動テトラ・日本製鉄/鉄鋼スラグ活用の新地盤改良材料/コスト40%削減、環境負荷も低減

ジオチェンジャの技術概念図
 不動テトラと日本製鉄は、製鉄時に発生する鉄鋼スラグを活用した地盤改良材料「ジオチェンジャ」を共同開発した。建設発生土に混合することにより、締め固め砂杭工法の中詰め材として利用可能な品質に改質できる。これまで外部処分していた低品質土が活用でき、改質作業にかかるコストは従来の石灰を使った手法と比較して約40%削減可能。加えて、砂などの自然資源採掘の抑制や建設発生土の場外搬出に伴うCO2排出量の削減など多方面で環境負荷の低減に役立つ。
 液状化対策として使用される締め固め砂杭工法では、中詰め材料として通常は良質な天然砂が使用されるが、天然砂は環境保全の観点から採取規制の強化による安定的な調達が困難になっている。他方、建設発生土は処分場の逼迫(ひっぱく)や処分コストの増加といった問題を抱えており、天然資材への依存を減らしながら、発生土の有効活用を図るための技術に対するニーズが高まっている。
 今回開発したジオチェンジャは製鋼スラグを原料とする締め固め砂杭中詰め材用に粒度と成分を管理した材料で、対象土の含水比低下効果と粒度改善効果を併せ持つ。粒状材料のため、セメントや石灰などの粉体材料に比べて発塵(はつじん)が少なく、運搬や保管にも特別な設備が不要で取り扱いやすい。
 通常、中詰め材料としては利用できない低品質土を改質可能で、良質な天然砂を使用した場合と同等の杭芯品質を実現。建設発生土を利用するため、地盤改質材料の搬入・運搬量を削減し、トータルコストを下げられる。また、従来の石灰により改質した中詰め材料はケーシング内への付着により施工性が低下しがちだったが、ジオチェンジャは、ケーシング内付着抑制といった施工性も満足している。