35年度に生産性25%向上/制度面の障壁解消にも注力/日建連 | 建設通信新聞Digital

1月12日 月曜日

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35年度に生産性25%向上/制度面の障壁解消にも注力/日建連

 日本建設業連合会(宮本洋一会長)は、今後10年間における生産性向上推進活動の基本方針となる「生産性向上推進要綱2.0」を策定した。2025年度を基準年とし、30年度に10%、35年度に25%の生産性向上を目指す。BIM/CIMや遠隔・自律施工、ロボット活用など以前から推進してきた技術的な取り組みに加え、事業・施工を円滑化できる業務プロセスの効率化や、生産性を阻害している法制度の改正につながる提案・要望に注力し、業界構造の根本部分からの生産性向上にもチャレンジする。 26年4月から36年3月までを対象期間とする新要綱は、7月に公表した新長期ビジョンなどを踏まえ、19日の理事会で決定した。ビジョンでは、35年度に129万人の技能労働者が不足すると予測しており、人手不足の一部を生産性向上でカバーするとのスタンスから、生産性指標には投入労働力当たりの生産量をベースとする「物的労働生産性」を採用した。
 基準となる25年度の実績値が確定するまでにはまだ時間を要するが、前要綱の目標(25年度までに20年度比で10%の生産性向上)は、24年度に前倒しで達成した。24年度は、省力化工法などの活用進展に加え、労働時間の減少や物価高騰なども相まって、20年度に比べて土木で11.9%、建築で18.0%、全体で14.0%の生産性向上を実現したという結果となった。
 新要綱では、日建連全体が一体となって取り組むべき事項も示した。技術開発・設計フェーズでは、DfMA(製造・組み立てを考慮した設計)をはじめとする施工効率化を目的とした設計・施工連携、BIM/CIM導入障壁の緩和、デジタルツイン技術の普及・拡大、プレキャストなどオフサイト生産部材のさらなる活用、3次元プリンター建設技術の実用化などを推進する。
 施工フェーズでは、自動施工機械やロボット、自律型施工機械、ドローン、遠隔施工・管理技術などの普及拡大に取り組むほか、全天候型作業環境の構築や共有物流・共同配送の実現、施工管理・検査行為の自動化・機械化に向けた検討を重ねる。維持・管理フェーズには、長寿命化素材・互換性の高い部材の採用、不具合自動感知システムの普及、既存インフラを長寿命化するリノベーションの推進などを位置付けた。
 業務プロセス・制度改正という視点を新たに盛り込んだのが、新要綱の大きな特徴の一つだ。サプライチェーン間の業務プロセス効率化の観点からは、建設キャリアアップシステムの運用拡大・連携機能の増加、受発注者間の書面手続き・契約の電子化・簡素化、着工時設計図書の精度向上、着工要件の明確化と受注者の片務性改善などを関係各所に働き掛ける。
 法制度を巡っては、労働法規制の柔軟化や猛暑日作業を禁じる法整備、繁閑格差是正のための技能者流動性の向上、年度予算や繰り越しの制約を念頭に置いた発注制度の見直し、監理技術者配置要件の緩和などを提案する。
 このほか、技能労働者の月給制への転換や多能工化、ICT・RT(ロボットテクノロジー)スキルの向上、大学工学部・高専への進学者確保、建設系以外の学生や外国人の技術者登用などにも取り組む。

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