平時も有事も二刀流で活躍/清水建設ら/フェーズフリーロボ研究 | 建設通信新聞Digital

12月26日 金曜日

企業

平時も有事も二刀流で活躍/清水建設ら/フェーズフリーロボ研究

研究開発の概要
 清水建設、三菱電機、早稲田大学の3者は、平常時と非常時の双方で活用できる「フェーズフリーロボット」の研究開発を開始した。平常時はオフィスや建設現場などで業務をこなし、災害時には即座に救援活動へ転用できるロボットを実現させる。産学連携で技術開発と実証を進め、2027年度末までの社会実装を目指す。 近年、豪雨や地震などの自然災害が頻発し、支援体制の強化が急務となっている。災害時に活躍するロボットをより広く社会に浸透させるに当たっては、専用のロボットを導入するよりも日常時から社会で活躍できることが重要と考え、フェーズフリーの概念を導入した。
 開発するロボットは、平常時には製造・物流現場、建設現場、オフィス、介護施設などでの業務を支援し、災害が発生した際に、被災者の検知や救援物資の配布、巡回、清掃といった支援活動に役割を切り替える運用を想定している。
 開発期間中であっても、完成した機能から順次、部分的な社会実装を進めていき、研究開発と検証の双方を繰り返していく方針だ。
 研究代表者は、早大理工学術院教授で、同大の次世代ロボット研究機構長も務める菅野重樹教授。同大がロボットのハードウエアやAI(人工知能)に関する要素技術を開発する。三菱電機と清水建設は、事業活動を通じてフェーズフリーロボットのソリューション化を担当する。
 同大は、これまでもスマートロボットのマニピュレーション技術やAI実装などの研究開発に取り組んできた。菅野教授は「これまでの研究成果を高度化し実装することで、被災地支援で活用されるロボットの実現に貢献したい」とコメントしている。