建設業の改善継続/IR資料開示が評価に/日本総研の主要建設企業ROE×PBR分析 | 建設通信新聞Digital

1月9日 金曜日

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建設業の改善継続/IR資料開示が評価に/日本総研の主要建設企業ROE×PBR分析

各社有価証券報告書および日本取引所グループウェブサイト「東京証券取引所日報」(2025年11月28日)、「規模別・業種別PER・PBR(連結・単体)一覧」(25年11月)を基に日本総研が作成
 日本総合研究所は、売上高1000億円以上の東証プライム・スタンダード市場の建設請負を主要事業とする企業の株価(2025年11月28日時点)と決算情報を基に、ROE(自己資本利益率)とPBR(株価純資産倍率)の分析結果をまとめた。同研究所の近藤大介シニアマネジャーによると、建設業では24年度から継続して資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて各社が取り組みを進めており、直近の半年でも一定の成果が見られた。資本コストや株価を意識した経営を実践している高砂熱学工業やダイダンはROE、PBRともに高位にある。
 ROEとPBRには中程度の正の相関が見られ、ROEが高い会社ほど、PBRが高い傾向にある。
 建設業全体のPBRは直近半年で、0.5ポイント改善している。中でも、ダイダン(1.7ポイントから3.1ポイント)、五洋建設(1.4ポイントから2.8ポイント)、関電工(1.7ポイントから2.9ポイント)、東洋エンジニアリング(0.4ポイントから1.6ポイント)、住友電設(2.0ポイントから3.1ポイント)、高砂熱学工業(2.4ポイントから3.4ポイント)の7社はPBRが1.0ポイント以上改善している。
 PBRには大きく、業績、資本政策・還元、投資トレンドが影響する。業績については各社好調であり、半期決算で通期見通しの上方修正が多く見られた。資本政策・還元については配当政策のほか、五洋建設、東亜建設工業の自己株取得やダイダンで株式分割の動きがあった。
 投資トレンドについては、関電工、高砂熱学工業のデータセンター銘柄の継続認知、東洋エンジニアリングのレアアース銘柄の認知、五洋建設や東亜建設工業の国防銘柄の認知などが見られた。また、関電工と東亜建設工業は資本コスト・株価を意識した経営に関する投資家向け情報提供(IR)資料を開示しており、投資家の評価につながっている。
 日本総合研究所シニアマネジャー 近藤 大介氏(こんどう・だいすけ)建設・不動産、鉄道会社を中心に組織・業務改革、M&A(企業の合併・買収)・アライアンス、事業戦略などを担当。