【創立65周年を迎えて・変化と向き合い スピード感持って/調査支援、防災街区整備に尽力】
2026年1月に創立65周年を迎えた首都圏不燃建築公社。まちづくりの初動期をはじめ、各段階の必要とされる場面でこれまでのノウハウを生かし、地域のまちづくりをコーディネートしている。近年は一般財団法人として都市計画法上の計画提案者になれることを背景に、提案型の「まちづくり調査支援事業」を開始するとともに、防災上の課題の早期解消を図るため、「防災街区整備推進機構」の指定を受けた。藤原健朗理事長に力点を置く取り組みなどを聞いた。
創立65周年を迎え、「公社の使命は災害に強くて快適なまちづくり。これまでの歩みも、将来に向けても崩せない永遠のテーマ」と力を込め、今後とも「マンパワーや資金などの問題、各種の制約を踏まえ、地域の実情などに応じて着実に事業を進めたい」と意気込む。一方で「スピード感を持って対応すべきところは対応していきたい」と公社の存在感を発揮していく考えだ。
公社はこれまで、東京都内第1号となる組合施行型市街地再開発事業(文京区江戸川橋地区)や、国内第1号となる区本庁舎と分譲マンションの一体型の市街地再開発事業(豊島区南池袋二丁目A地区)など、先進的なプロジェクトを手掛けてきた。区本庁舎との一体型の市街地再開発事業は現在、葛飾区立石駅北口地区でも進められている。こうした土地の高度利用を図るニーズなどに対応するためにも、事前の合意形成や推進体制の構築を重視しており、「地域の行政や住民とともに、地域の課題などを洗い出し、地域の資源・資産を活用してどのような街にしていくのか話し合いながら、プロジェクトを導いていく『まちづくり調査支援事業』に力を注ぎたい」と意欲を示す。
公社の事業メニューの大きな柱となっている『防災街区整備事業』は、緊急性の高い地域の事業スキームとして、阪神淡路大震災後に設けられた。藤原理事長は建設省(現国土交通省)時代に担当者として同事業の運用に道筋をつけた。市街地再開発事業に比べ歴史も浅く、東京都内の防災街区整備事業のうち、半分以上の案件はノウハウを持つ公社が手掛ける。首都圏1号案件の板橋区板橋3丁目地区を皮切りにこれまで東京都内で6地区で実績があり、現在7地区で事業を推進している。「防災性を高める住宅や施設をできるだけ手続きを簡素化してスピード感を持って整備する仕組み」として、活用の可能性が広がるとみている。
都市部を中心にいまだに多く残されている木造密集地域や国土強靱化が唱えられている状況下、業界の先駆者として、行政(市区)や事業に携わるコンサルタントと「制度の課題や技術革新の可能性などを意見交換し、絶えず事業推進に有効な手法を模索したい」と考えている。
高齢化や人口減少など社会状況の変化は「街のつくり方や業務の方向性を考える上で重要なポイント」と話す。専門家としても未経験の課題に直面することを念頭に「それぞれの地域の考え方や感じ方を受け止めながら、深くじっくりと考えていくスタンスが求められている」との見方を示す。
