【清水建設ら施工/埋まっていた技術 認定で日の目】
横浜市・扇島の地下に、世界一の称号が刻まれた。その大きさでギネス世界記録に認定された東京ガス扇島LNG基地の「4号地下式LNGタンク」。地中に埋まり、普段は決して日の目を見ることのない巨大構造物が、今回の認定で脚光を浴びることとなった。
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清水建設とIHIプラントが施工を手掛けた。2013年の竣工以来、東京ガスが10年以上にわたり無事故で安定運用を続けてきた中で、世界最大級の地下タンクに導入した多くの新技術が信頼性を実証してきた。その結果が、今回のギネス世界記録につながった。
敷地制約がある中で大容量化を実現した。高品質を確保した上でコスト低減を図るため、覆土式屋根構造や最新テクノロジーを駆使した耐震設計、より大きな圧力に耐えるための高強度鉄筋や高圧縮強度保冷材を採用した。2社が長年にわたって蓄積してきたノウハウと技術開発の成果が結実した。
20日に現地で開かれた認定証贈呈式には当時建設に携わった清水建設の技術者なども参加した。
設計や計画に携わった土木技術本部設計第一部の若林雅樹主席エンジニアは、約4カ月を要したという今回の認定経緯を説明した。その上で、安全性や経済性などを考慮し、「東京ガスとベストな解を見つけ、チャレンジした。世界で唯一無二のタンクだ」と胸を張る。
品質向上を図るために底版コンクリートを4昼夜、約100時間連続で打設した。現場には30秒に1台のペースで生コン車が到着し続け、周辺のプラントを総動員するほどの高度な施工管理が求められた。
現場で副所長を務めた土木東京支店の松井淳主席エンジニアは「完成後10年以上たってから評価されたことは施工者冥利(みょうり)に尽きる。本日を迎え、感慨深い。一生懸命やってきたかいがあった」と目を細めた。
同社を代表して参加した土木営業本部の渡辺浩二副本部長は「多くの土木構造物は地下に埋まってしまうと、日の目を見ることはない。今回の認定は非常にうれしく、誇らしい気持ちだ」と話した。
清水建設のLNGタンク建設の実績は50基(うち地下式LNGタンクは34基)に上る。同社はLNGタンク建設で培った世界最高水準の土木技術を継承し、次世代エネルギーインフラの構築につなげる。
