国土交通省は3日、社会資本整備総合審議会道路分科会道路技術小委員会を開き、道路トンネルの技術基準の改定案を示した。偶発的に発生する地震や火災などに対して構造物の変形などが想定の範囲におさまるよう要求性能を新たに規定する。2026年度内の策定を目指す。
技術基準の構成は、全てのトンネル工法を対象にした「I共通編」を新設し、現行の基準に記載している山岳工法は「II山岳工法」として別途設ける。シールド工法と開削工法は今後の動向を踏まえて策定を検討する。また道路の新設・改築時のトンネルの構造に関する事項に絞り、換気に関しては現行の基準を参照することとする。維持管理については定期点検に関する一連の法令で対応する。
主な改定点は、▽性能規定に基づく技術基準への転換▽能登半島地震への対応▽技術の進展への対応▽現場で生じている課題への対応--の4点。
要求性能に関しては、機能性能、耐久性能、その他の性能からなる「トンネルの性能」を新たに規定する。
基本性能では高速自動車国道や都市高速道路、一般国道など重要度が高い道路の場合、地震や火災が起きた場合でもトンネルの性能の回復が容易な状態を保つよう要求する。耐久性能は、100年と設定している設計供用期間に対して材料の経年的な劣化が基本性能に影響を及ぼさない状態を求める。
能登半島地震への対応に関してはトンネル被害を分析し、地すべりと交差する箇所や膨張性地山など地震の影響を受けやすい特殊条件を精査した。これを踏まえ、計画段階では特殊条件に該当する箇所を極力回避すること、計画段階で回避できない場合や施工段階で設計を見直す場合はインバートの設置や十分な支保工の採用、覆工を単鉄筋で補強するなど覆工コンクリート崩落の防止対策の実施を標準とする。
新技術導入も促す。吹き付けコンクリートの施工時に行う金網の設置作業が自動化・遠隔化技術導入の障壁となっていることから、新技術の採用により吹き付け面に人が立ち入らず、コンクリートと地山の付着が良好な場合は金網設置の省略を検討できることを解説する。
また、調査、計画、設計、施工の各段階で把握される情報を次の段階に引き継がれるよう、項目を定めて確実に記録して保管することを規定する。記録することにより、定期点検時に目視で確認できない覆工背面の地質や施工当時の情報が確認できるなど、性能の見立ての精度の向上が期待できる。
