【技能者 まず訓練所で教育/新年度から先行的取り組み】
建設業に入職する全ての技能者は、まず職業訓練所で一定の技能を身に付けて現場で働く。そうした教育訓練体系の構築に向けた取り組みが本格的に動き出す。2026年度には建設業振興基金と建設技能人材機構(JAC)を中心に建設産業専門団体連合会の協力による先行的な取り組みも想定している。「新たな教育訓練体系構築検討会」を立ち上げた建設業振興基金の谷脇暁理事長は、日刊建設通信新聞社のインタビューに応じ、設立の狙いや目指す教育訓練体系などを語った。
谷脇理事長は、検討会設置について「業界全体で責任を持って入職者を増やし、現場で働く人を育てる仕組みをつくりたい」と説明する。建設業に入職した技能者は現在、各専門工事会社に入社して各社ごとにOJT(職場内訓練)を受けて技能を身に付ける。だが、企業・職人ごとに教え方や教える内容が異なり、親方による教育が長期にわたることも多いため、より効果的に技能を身に付けられる体系が求められている。
各社任せの教育体系から、「技能者がOFF-JT(職場外訓練)で一定の水準の技能を習得し、身に付けたことが処遇に生かされる仕組みを整えたい」と強調する。加えて「最新の技能を教える訓練にすることで、効果的に質の高い技能を身に付けられる」。その結果、「教育の時間と質を高め、建設業界全体の生産性を上げる」という狙いだ。教育体系を整えれば、「建設業への入職のハードルを下げ、安心して入職することにもつながる」と見据える。
ただ、「職種や地域によって、高い専門性が求められる現場もあれば、多能工的にいろいろな職種を手掛けられる技能者もいる」と求められる内容や質に違いがある。検討会では「どういう人を対象に、どのように訓練するのが最も効果的かを考え、教える人をどう育てるかも検討したい。最新の技術・技能を学ぶ再教育も必要だ」とする。
教える場については「最新の技術・技能を踏まえた統一的な教育プログラムやカリキュラムを検討する中核的な拠点を設け、各地域の建設業界と専門工事業者、地域の行政が連携して人を育てる訓練所を認定するイメージだが、検討会でどのような体系が良いか議論できれば」とする。
OFF-JTを受けた技能者の習熟度を評価する仕組みも重要になる。現在の技能評価は経験年数と資格が中心だが、「一定の訓練を受ければ、早く一つ上のレベルに上がれるなど、時間的な概念で評価することも考えられる。訓練所の教員になれる免許を取った人の評価もあり得る」とアイデアを話す。
