日立建機は11日、主力の油圧ショベルを製造し、同社マザー工場でもある土浦工場(茨城県土浦市)で進行中の工場改革が2031年度に完了すると明らかにした。同社は現在、国内主要生産拠点に大規模投資し、ラインの自動化などを進めている。国内に七つある工場のうち、既に6拠点は改革を終え、残るはマザー拠点となる土浦工場のみとなる。成川嘉啓執行役常務によると、一連の取り組みで「年間40億円ほど」のコストメリットが生まれるという。
同社は18年、国内主要生産拠点の大規模再編計画を公表。事業規模は200億円強で、既に半分ほどの投資を終えている。改革の要点は、機種ごとの生産地集約、自動化、IoT(モノのインターネット)活用など。改革の“最終ピース”となる土浦工場では、溶接、塗装、組み立て、構内物流の自動化のほか、AI(人工知能)を活用した熟練工の動作分析などが進んでいる。
同日には、土浦工場を報道陣に公開し、溶接や塗装、組み立てラインの自動化の進捗(しんちょく)状況を紹介した。
ロボット化が最も進むのは、製缶と呼ばれる金属加工工程。ロボット適用率(溶接体積ベース)は86%で、改革着手前の17年度より17ポイント伸びた。
塗装工程では、機械化範囲を拡大し、塗料ロスを抑える計画。完成予定は29年度で、塗料使用量は25年度比54%削減となる見通しだ。
組み立て工程は、走行性能を担う下部ユニットと、ショベル作業を担う上部ユニットをドッキングする重要工程の効率化を進める。現在は熟練スタッフが担っているが、ここに人と機械が協業する専用設備を導入する予定だ。
着々と進む工場改革に、現場の視線も集まる。新ラインの検討メンバーには現場スタッフも入っている。数百人の組み立てスタッフを束ねる伊藤仁樹組立課課長は「可能な限り現場の声が反映された新ラインになる。非常に期待している」と話した。
「残りは土浦工場だけ」。現場を前に、成川氏は語気を強めた。発表に同席した鎌田博之理事生産技術統括部長も「いよいよ最後のゴールが見えてきた。4月から始まる次期中期経営計画の最重要項目と位置付け、推進していく」と力を込めた。
