大成建設は、製造時のCO2排出量を大幅に削減し、土木学会指針(案)に準拠した環境配慮コンクリート「T-eConcrete/Carbon-Recycle」を使った下水道シールドトンネル用セグメントを開発し、実工事に適用した。施工ボリュームが確保できれば従来製品と同程度のコストで製造できる上、耐硫酸性も高いことから、今後、積極的に活用を提案していく。
鋼製枠に中詰めして製作したセグメントで、国内で初めてカーボン・リサイクルコンクリートを下水道シールドトンネル工事に適用した。普通コンクリートと比較して材料製造時のCO2排出量を84%削減した。
同社が開発する環境配慮コンクリート「T-eConcrete」は4種類あり、このうち炭酸カルシウムの混合によりCO2を固定しカーボンネガティブを達成した「T-eConcrete/Carbon-Recycle」の材料設計を、2018年に土木学会が策定した「混和材を大量に使用したコンクリート構造物の設計・施工指針(案)」に準拠するよう工夫・調整し、新たな配合を確立した。
25年に大阪府発注の「寝屋川流域下水道門真守口増補幹線(第2工区)下水管渠築造工事」で、外径3.25mのシールドトンネルの延長12.0m区間(10リング分)に適用した。削減したCO2量は実質約5.7tに相当する。製鉄副産物である高炉スラグを大量に使用しているため、資源循環にも貢献する。
シールドセグメントに求められる強度や耐荷重性に加え、下水管渠に必要な耐摩耗性と耐硫酸性も備える。埼玉県八潮市での道路陥没事故で下水管の硫酸による影響に注目が集まる中、同社担当者によると、今回の開発セグメントは従来製品に比べて「試験結果から耐硫酸性は数倍程度になる見込みだ」と話す。
さらに従来のセグメントと同様の施工性を持ち、今回の適用工事で製作、組み立て、据え付けなどの工程において、従来と同等に扱えることを実証した。
