国土交通省は、改正建設業法に基づく労務費の基準(標準労務費)の運用状況をフォローアップするための取り組み内容を固めた。企業・現場を対象に契約・支払いの各段階で新たな調査を実施し、労務費の行き渡りのボトルネックや技能者への賃金支払いを把握する。技能者個人へのヒアリングなどミクロな視点でも実態をつかみ、必要な施策の検討に役立てる。 =関連2面
26日に開いた中央建設業審議会のワーキンググループ(WG)で取り組み方針について了承を得た。
標準労務費をベースとした新たな取引ルールによる労務費の行き渡りと賃金支払いを確認するため、2026年度に新たに三つの実態調査を実施する。
契約段階(入り口)では企業間の見積もりで適正な労務費が反映されているかを調べる。労務費の基準値を定めている職種分野の建設企業を対象に、基準値のベースとなる標準的な仕様で行われた工事の見積額をアンケートで確認。基準値を物差しにして取引時の労務費の適正性を客観的に把握する。
労務費の行き渡りを妨げるボトルネックも調査する。公共・民間、建築・土木で異なる傾向を考慮して調査対象工事を数件選定。発注者、元請け、下請け、技能者へのヒアリングを通じて労務費や賃金の支払い状況を確認し、供給網での行き渡りの目詰まりを洗い出す。
支払い段階(出口)については建設企業の賃金台帳や技能者の出勤、建設キャリアアップシステム(CCUS)能力評価の判定を確認した上で、賃金の支払い状況をヒアリングする。CCUSレベル別年収の目標値水準の支払いに向けた施策検討の参考とする。
企業に対する調査は任意かつ一定規模の建設企業に実施する。ボトルネック調査は直轄だけでなく地方自治体発注工事をフィールドとすることも想定する。
毎年度実施している既存調査も拡充する。社会保険加入確認・法定福利費に関する調査で労務費を内訳明示した見積書の活用状況を調べる。入札契約適正化法に基づく実態調査(入契調査)を通じて、公共発注者の労務費ダンピング調査の実施やコミットメント条項の導入を捕捉する。
調査結果はWGに年1回報告する。
