新年度が始まった1日、全国各地の建設会社などで入社式が行われた。各社トップの訓示には挑戦を後押しする声が多い一方、心身の健康を気遣う言葉も目立つ。長い職業人生を走り切るには、休息も仕事のうち――。そうした考えが、業界全体に広がっている。
式典でずらりと並んだ新入社員。定刻を回ると、表情は一層引き締まる。名前を呼ばれて立ち上がったものの、弾みで頭が真っ白になったのか、しっかり覚えたであろうあいさつ文は、どうしても思い出せないようであった。かと思えば、式が終わると、どこからともなく始まる”非公式”の記念撮影会。ポーズをきめながら肩を寄せ合ってスマートフォンのレンズに納まる。その姿は、まだ若く、エネルギッシュだ。
建設という言葉は本来、前向きな語感を持っている。語尾に「的」を付ければ、物事をより良くするという意味になる。3K(きつい・汚い・危険)といった負のイメージがいまだ根強い中、業界構造をどこまで変えていけるのか。”前向き”な建設業の矜持(きょうじ)が問われている。


