
東京大学大学院工学系研究科は1日、大林組、鹿島、清水建設、首都高速道路、大成建設、JR東日本の民間6社と共同で社会連携講座「建設用3Dプリンタによるコンクリート構造の革新」(代表教員・石田哲也同科社会基盤学専攻教授)を開設した。この講座は、3Dプリンティング技術を活用してコンクリート構造物の設計施工に革新をもたらし、品質確保や標準化、社会実装を実現するのが狙い。材料・施工方法の整理や設計手法の確立を進めるとともに、省人化や工期短縮などの課題を解決し、制度整備や人材育成も含めて技術の普及・発展を目指す。
建設用3Dプリンティングは世界的に普及が進み、橋や住宅など実構造物にも活用され、日本でも適用事例が増えている。複雑形状の施工や省人化、工期短縮、環境負荷低減などの課題解決に有効で、建設分野で大きな可能性を持つ技術だ。
この社会実装に向けて同講座を共同開設した。設置期間は2026年4月1日|29年3月31日。講座を通じて、建設用3Dプリンターに適した材料特性・装置仕様・施工プロセスを整理・標準化し、土木を中心に有効な適用分野や構造形式を明確化する。合理的な設計・施工方法も確立して知見を体系化するとともに、発注の仕組みを整備する。
さらに、長期的には、建設用3Dプリンターの特長を生かした新たな構造や施工プロセスを解析・実験で検証し、設計・施工の革新も目指す。社会実装を円滑に進めるため、品質確保や供給基盤の整備に加え、資格制度や人材育成など制度面の整備にも取り組む。今後、技術開発のロードマップを策定し、ビジョン共有や政策提言を通じて技術の発展と普及拡大を実現していく。
5月28日には開設を記念して、シンポジウムを東京都文京区の東大伊藤国際学術研究センターの伊藤謝恩ホールで開く予定だ。
