日本建設業連合会(宮本洋一会長)は、発注者サイドの建設事業や保全事業などの担当役員ら出席の下、毎年開催しているNEXCO3社それぞれとの意見交換会を終えた。日建連は、労務費や資材価格の上昇などで実質的に事業量が減少する中、NEXCOから受注した工事の総額・件数が大幅に減少している現状を説明した上で、安定的な高速道路整備事業の推進のため、財源の規模拡大などを要望した。また、金利の上昇傾向がキャッシュフローに影響しているとして、円滑な部分払いを行うための出来高認定の簡略化などを提案した。
2025年度意見交換会のテーマには、▽財源の規模の拡大と契約変更の適正化▽働き方改革の推進▽設計変更協議の円滑化▽生産性向上に資する技術の現場実装の推進▽技術者の育成・定着--などを掲げた。
日建連の会員調査によると、24年度は、21年度比で建設工事費が14%増加した一方、NEXCO工事の受注総額と受注件数は約50%も減少した。25年度も減少傾向は鮮明で、日建連の受注調査結果によると、NEXCOが大部分を占めるとみられる「政府関連企業」からの受注額は、25年4月-26年1月累計で27%減となっており、単月実績も8月以外、前年を下回るマイナスがずらりと並ぶ。
また、NEXCO3社の工事では、財源不足を理由とする数量減や打ち切りも2-4割程度で発生しており、安定的な事業推進に必要な財源拡大や契約変更に必要な財源確保などを呼び掛けた。
働き方改革関連では、時間外労働規制や週休2日の推進に伴う資機材運搬、生コンクリート打設、クレーン作業の時間的制約、さらには近年の猛暑への対応によって、現場の作業日程や作業効率に変化が生じていると指摘。受注者の責めによらない条件変更に対して工期や経費を適切に見直すため、設計変更協議のルール化を要請した。
大規模で工期の長い案件が比較的多いNEXCO工事では、金利が上昇傾向にある中で部分払いが進まないなど、受注者のキャッシュフローに影響を及ぼすケースが少なくない。会員調査では、27%の工事で金利負担の増加によって資金繰りが悪化したとの回答があった。当初の工期3年、請負額100億円と想定した工事で金利上昇の影響を試算したところ、平均的な請負額増加率を基に、1、2、3年目にそれぞれ15億円の追加工事が発生した場合、追加工事の利払い総額(銀行融資年利2%、追加工事費は竣工払い)は1億8000万円に上る。
日建連クラスの大企業といえど、全社的に抱える工事件数が多いこともあり、金利上昇の影響は小さくない。新単価協議を含む設計変更協議の円滑化とともに、部分払いを確定する出来高検査の手続きの簡略化や、変更契約締結前でも追加工事分の代金を受領できる暫定単価による仮払い制度の導入を提案した。
生産性向上を巡っては、技能者不足などを背景に、プレキャスト工法の対象構造物のさらなる拡大や技術基準への位置付けなどを要望した。加えて、現在、現場配置されている監理技術者は50歳代が最多で、今後10年でその多くが退職する技術者不足問題にも言及。若手、女性、外国人技術者が経験を積み、監理技術者として働き続けられるよう、施工実績の規模や要件、全期間従事の緩和、途中交代への柔軟な対応、遠隔管理による専任要件の見直しなど、技術者制度の大幅な運用緩和を求めた。
