政府は6日、「官公需における価格転嫁・取引適正化加速化プラン」をまとめた。官公需法に基づく「国などの契約の基本方針」で定めた措置のうち、特に加速すべき取り組みを特定し、期限までに100%実施する目標を掲げている。2026年度末までに100%達成すべき措置には、予定価格に最新の実勢価格を反映することなど、27年度末までに100%達成すべき措置には、全工事の発注の契約書にスライド条項を設けることなどを位置付けた。27年度末までに地方自治体が目指す取り組みも明確化している。
同プランは、同日開催の「賃上げに向けた中小企業等の活力向上に関するワーキンググループ」で示された。中小企業・小規模事業者の価格転嫁や取引適正化を進めるには、国などの官公需でも適切な予定価格の設定や賃金・原材料費の上昇への対応が欠かせない。ただ、その取り組みに不十分な現状があるため、今回のプランを策定し、取引環境の改善を図ることにした。
26年度末までに100%達成すべき措置には、5項目を盛り込んだ。その一つが、発注時に作成する予定価格に最新の実勢価格を反映することだ。複数年度契約の予定価格の場合、期中の価格変動も適切に反映する。24年度時点で国など196機関の導入率71%の低入札価格調査制度を二つ目に挙げ、全ての対象契約で同制度を徹底し、調査の際、人件費や工数が適切に計上されているかを確認する。
契約期間中に発生した労務費、原材料費、エネルギーコストなどの上昇への対応も徹底。全ての工事契約で、受注者から請負契約内容の変更の申し出があった場合、予算の不足や変更契約実績がないことを理由に、協議に応じない対応は取らず誠実に対応する。これは役務契約・物品契約でも行い、「根拠資料は公表資料に基づくものとする」などの労務費転嫁指針の趣旨を考慮する。
このほか、26年度末までの100%達成措置には、組織内で利用する契約書ひな形への「コンテンツ版バイ・ドール条項」の設定、分離・分割発注の検討を挙げている。
27年度末までに100%達成すべき措置には、全工事の発注で、契約書にスライド条項を設け、その運用基準を策定することにした。さらに、役務・物品契約では再協議条項を整備する。スライド条項や再協議条項がない複数年度の物件・役務の全ての契約では、発注者側から年1回以上の協議を行う。物件・役務の全ての入札公告や契約書などでは、著作権や中間生成物の無償譲渡を求めない。
地方自治体にも、これらと同様の取り組みを求めている。発注時に作成する予定価格への最新の実勢価格の反映や、全工事発注の契約書へのスライド条項設定のほか、低入札価格調査制度、または最低制限価格制度の導入なども求めている。
プランに盛り込んだ措置は、各年末をめどにその進捗(しんちょく)を公表するとともに、目標達成に向け関係省庁でフォローアップしていく。
