
竹中工務店は、木材を使った鉄骨梁の耐火被覆技術「KiPLUS TAIKA for BEAM」で、3時間耐火の「国土交通大臣認定 耐火構造部材」を取得した。建築基準法上の階数制限がなくなり、従来は不可能だった15階以上の建物でも耐火性能を確保できるようになった。また、設備配管を通す貫通孔は、一般的なS造と同等の大きさのものを設置できるようになり、建築・設備計画を制限せずに、木による快適性の高い空間を実現する。
この技術は、センクシア、日本インシュレーションとの共同開発で、鉄骨梁の周囲にケイカル板と被覆木材を取り付けた。被覆木材にはスギ、ヒノキ、カラマツを適用でき、国産木材の活用により、国内の林業を活性化する。
超高層建物で多く使われている長い梁は、木造ではサイズが大きくなり、天井高が低くなることがある。他方、鉄骨梁を採用するとサイズを抑えられる。従来技術では、木材を耐火被覆材として使う場合、設備配管用の貫通孔の大きさに制限があった。
建築基準法では、建物の最上層から15―19層は2時間半、20層以上は3時間の耐火性能が求められる。鉄骨梁に耐火性能を確保するため、耐火被覆を付加する必要がある。
同社は、従来のRC造やS造の一部に木をあらわしで使いながら、遮音、耐震性能などの一部を補完する設計技術体系「KiPLUS(キプラス)」シリーズを展開している。
2023年には「KiPLUS TAIKA for BEAM」を開発して2時間耐火の「国土交通大臣認定 耐火構造部材」を取得し、高層建物に適用してきた。木材を耐火被覆材に使うことで、火災時には木材が炭化しながらゆっくり燃え、鉄骨梁への熱の侵入を防ぐ。さまざまな種類の木材が使えるため、一般流通木材、強度が低く構造材に適さない木材も活用でき、原木の無駄をなくせる。
今後、キプラスシリーズのほか、より多くの木材を活用したいニーズに応える耐火集成材「燃エンウッド」といった中高層木造技術や耐火木造技術を通じて、木造・木質建築の普及と国産木造の活用に取り組む。

