
インフロニア・ホールディングス(HD)は、水処理国内大手の水ingを912億円で買収し、7月1日から完全子会社化する。同社の株主である荏原製作所、日揮ホールディングス、三菱商事が売却先を探す中で、ウオーターPPPをはじめとするコンセッション(運営権付与)事業の実績を持つインフロニアHDと合意に至った。コンセッション市場の拡大を見越し、施設運営を担える企業をグループ傘下に収め、盤石の体制を敷く。
買収を発表した14日、東京都内で記者会見した岐部一誠インフロニアHD社長は「上工下水道施設の経営から土木・建築、機械、電気のEPC(設計・調達・建設)、O&M(運営・維持管理)に至るまでのバリューチェーン全てに対応できる日本唯一の会社になる」とグループ化の狙いを強調。インフロニアグループが手掛けている大阪市の工業用水や神奈川県三浦市の下水道コンセッションの経験を通じて「今後の拡大にはオペレーション能力の高い人材がさらに必要となる」と判断し、全国300拠点・3000人以上のエンジニアを抱える水ingの買収を決めた。
具体的な業績貢献の詳細はこれからとしたが、「今まででも施設運営のコストを1、2割下げられており、水ingの実績を加味すればもっと大きなチャレンジができる。データドリブンなどを活用することで、グローバル企業を超えるような高いレベルのマネジメントが目指せる。そうなればアジアやアフリカなど人口の多い地域でもわれわれの競争力が増す」と中長期の視野でも期待を示した。
コンセッションなどの受注戦略について水ingの安田真規社長は、地域要件などを念頭に「グループ内でしか組まないということは全く考えていない」としつつも、「条件がなければまずはグループ内のゼネコンとコンソーシアムを組成し、提案を考えていくことになる」と説明した。
インフロニアHDとして今後のM&A(企業の合併・買収)戦略について、岐部社長は「まだまだ足りない部分もある。海外への展開も考えるとこれで終わりだということはない」とさらなる投資戦略をにじませた。
