国土交通省は、公共建築工事の各府省庁の統一基準となる「公共建築工事標準仕様書」のデジタル版を作成する。設計図書や施工関係資料の作成時に目視で標準仕様書を参照する手間を省く。特記仕様書や施工関係書類、BIMモデルとデジタル版をデータ連携させる外部システムの構築も見据える。標準仕様書の次回改定となる2028年度版でデジタル版を公開する。
標準仕様書は公共建築工事に使用する材料や工法の標準的な仕様を整理した文書で、3年ごとに改定している。工事請負契約の契約図書の一部を構成し、設計、施工の各段階で使われているほか、設計者や施工者、材料・機材製造者が品質管理の参考に活用している。
国交省は標準仕様書のデジタル版の作成に向けて、建築設計3団体や建設業団体、有識者などで構成する検討会を25年12月に設置。デジタル版の在り方を示す取りまとめを3月に公表した。
デジタル版を作成する標準仕様書は、建築工事編、電気設備工事編、機械設備工事編で、設備工事編で引用されている標準図も対象とする。正本のPDF版は残し、デジタル版は参考資料と位置付ける。工事発注時に標準仕様書と特記仕様書を参照にしてもらう運用方法は変更しない。
デジタル版を作ることで、設計図書や施工関係資料の作成時に目視で標準仕様書と照らし合わせる手間を削減する。設計者や施工者などが作成する各種技術資料に標準仕様書の規定を引用する場合、リンクを設定できるようになり参照が容易になる。
将来的にはデータベースやツールを別途整備し、デジタル版との連携を目指す。例えば特記仕様書や施工関係書類の作成時に、システム上に表示された材料や工法を選ぶと必要な情報を転記するような仕組みを想定する。
デジタル版とBIMを連携させ、属性情報の入力作業を効率化する仕組みの構築も見据える。
デジタル版の公開後に実務上の活用事例を蓄積し、必要に応じて内容を見直す。改修工事、木造工事の標準仕様書のデジタル版も検討していく。
