西松建設と北陸鋼産(富山県滑川市、酒井正社長)は、トンネル覆工コンクリートの表面気泡を簡易に除去する装置を開発した。覆工下半部に発生する粗大な表面気泡を除去できるため、コンクリート表面の仕上がりが改善され、表層品質の向上を実現する。実物大モックアップを用いた実験を行い、効果を確認した。使用中のトンネル覆工型枠にも後付けできるため、同社施工の各現場への導入準備を進める。
一般的にコンクリート表面の気泡は、傾斜した型枠面では十分な締め固めを行っても外へ追い出すことが難しいとされている。トンネル覆工コンクリートの下半部分では表面気泡が発生しやすく、初期欠陥の一つとして施工上の課題となっている。特に、大きな表面気泡は覆工の仕上がりを損なうだけでなく、コンクリート表層の品質低下を招く要因となるため、対策が必要だ。
今回開発した覆工コンクリートの「表面気泡除去装置」は、直径4mmの鋼製ワイヤとウインチ、固定バイブレーターで構成する。
覆工コンクリートが所定の高さまで打ち上がった後、あらかじめ型枠面に仮留めしていたワイヤをウインチで巻き取り、最後に固定バイブレーターを数秒間作動させて作業が完了する。
ワイヤは型枠面に沿ってゆっくりと上方へ動き、ワイヤに接触した粗大な気泡は小さくなったのち、ワイヤとともに上方へと排出される仕組みとした。
実大実験の結果、装置を使用していない覆工面は、大きさ10mm以上の粗大な気泡が数多く確認された一方で、使用した覆工面では、大きく目立つ気泡はなかった。
硬化した覆工コンクリートの品質を非破壊試験(超音波測定器)で測定した結果、装置を使用した覆工面では、表層の緻密性が最大で3%ほど向上しており、覆工の仕上がりが改善され、表層品質の向上が確認できた。
