清水建設は、山岳部の陸上風車を結ぶアクセス道路のルート設定を自動化・最適化する設計システムを開発した。発電施設の設計期間の短縮と事業採算の向上を図る。造成工事でのパイロット道路のルート設定など、切土・盛土を伴う大規模工事への適用も進め、経済性を重視した設計の高度化を図るとともに、陸上風力発電施設の受注競争力強化につなげる。
継続的な案件の増加を見込める陸上風力発電施設だが、国土が狭い国内の事業候補地は山岳部になることが多い。事業採算を大きく左右するアクセス道路のルートや道路線形は、幹線道路からの距離や等高線などを考慮しながら数多くの想定ルートを比較検討するため、従来は多大な時間と労力を要していた。
そこで同社は新システムを開発した。計画地の地形データを入力し、風車の配置情報や造成禁止エリアなどをプロットすると、独自アルゴリズムにより最短となるアクセス道路の概略ルートを自動抽出する。さらに、切土・盛土量の最小化を図るため、高低差の小さいルートを考慮して概略ルートを補正する。
単純に一筆書きで風車を結ぶのではなく、例えば同一山系上に位置する風車をグルーピングした上で山間を連結するアクセス道路を設定するなど、人の設計思考を反映したルート構築機能も備え、経済合理性の向上を図る。
このシステムを使って過去に同社が設計・施工した陸上風力発電所のアクセス道路のルートを検討した結果、実際に設計者が立案したルート設定に近似した結果が得られた。30基の風車を延長約12キロのアクセス道路で結ぶ計画の立案時間は約4時間で、従来の約10分の1に短縮された。
開発計画の初期段階では、さまざまなケースを想定した数多くのルート検討を繰り返し実施することから、このシステムを用いることで検討ケースの大幅な増加を見込めるため、さらなる経済設計の高度化が期待できる。
今後は陸上風力発電の新規プロジェクトで運用しながら実用性を高めるとともに、数量算出や工事費算定への展開も視野に入れる。
