【“人への投資惜しまず”支援充実】
「人への投資」を惜しまず働きやすい環境を整備し、「10年先を見据えた人づくり」を経営の最重要課題に掲げる前田道路。2025年度に導入した「完全週休2日制」を筆頭に、社員が納得しながら最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を実現する施策を具現化させてきた。社員だけでなく、その家族への配慮など本業の背景に潜む課題にも切り込むことで、長期的な目線で働きやすい環境づくりを追求する人事部の取り組みに迫った。
◆教育 … 半年間じっくり研修
◆奨学金 … 最大320万の返済補助
◆子育て … 不妊、発達児童に手当
完全週休2日制は、初年度の25年度末時点で完遂したが、その裏には人事部の“地道な”努力があった。やむを得ず土日といった休日の勤務が発生した場合、代休を取れているかどうか、一人ひとりに電話で確認するなど、丁寧に実態を調査し、確実な休日取得を促した。現場と管理部門が一体となって実現した働き方改革は、佐藤祐胤執行役員管理本部人事部長が「社内や求職者に向けて効果が大きい」と胸を張るように、大きなアピールポイントになる。
「社員とその家族に配慮した福利厚生が進んでいる」ことも同社の特徴だという。例えば、不妊治療や発達に特性のある子どもを支援する「家族支援手当」など、家族に悩みを持つ社員にフォーカスした施策を充実させ、働き続けやすい環境を提供する。
「ゼネコン・道路舗装業界の中でも、福利厚生や教育制度が整備され、働く環境が良い」と自負をのぞかせるが、その充実度は学生の売り手市場にある就活市場でも強みになる。入社してからは、安心して舗装の知識を学び、知識を取得するために半年間の研修を設けるなど、手厚い教育制度を整備。奨学金を借りている社員には返済金の一部を補助しており、最大で320万円を支給する。
心身の健康経営にも力を入れる。健康診断に関する補助として、PET(陽電子放出断層撮影)検査や人間ドック、主婦(夫)健診の費用を会社が負担する。また、健康診断の再検査率は100%だった。
こうした取り組みが奏功し、えるぼしやトライくるみん、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定された。「社内や求職者へのアピールになったとともに、人的資本経営に力を入れていることを認められた証だ」と語る。
人事制度は日進月歩だ。労働組合や面談を通じて丁寧にヒアリングし、経営施策と合わせて常に見直しながらアップデートしている。佐藤人事部長は「今後、家族だけでなく、介護者や独身者を対象とした施策も拡充していく」との考えを明かす。
「人を大切にする会社」の挑戦は、社員の満足度を高めることにとどまらず、さらに働きやすい道路舗装業界への道しるべになる。
