国土交通省は、インフラ分野でのAI(人工知能)の実用化に向けた実証事業を2026年度に行う。自動施工でのAI活用などインフラマネジメントや国土強靱化に寄与する取り組みを幅広く募集し、優れた事例には懸賞金を与える。民間による技術開発を促し、建設現場のAI実装を加速させる。
実証事業の募集対象領域には、▽現場施工▽維持管理▽災害対応▽データ連携▽フィジカルAI▽行政事務――の六つを例示。AIを活用して作業を高度化する取り組みだけでなく、新たなビジネスモデルを構築したり、業務プロセスそのものを改革したりする事例も求める。
現場施工では自動施工や工程・施工管理などでAIを活用する取り組みを想定。維持管理では点検や異常検知など、災害対応では現地調査や衛星利用などでのAI活用を見込む。建設現場の省人化や生産性向上に向けて直轄工事で導入を目指すフィジカルAIについても、危険作業などに導入する取り組みを募集する。
実証で優れた成果を上げた取り組みを広く共有し、AIの実用化を後押ししていく。
国交省は、今夏に予定する政府全体のAI基本計画の改定を受けて、インフラ分野のAI実装の取り組み方針を26年度上半期にも打ち出す。4月にまとめた骨子ではAIを「人の判断と行動を支える基盤」と位置付け、徹底的に活用する考えを表明。受発注者間のやりとりでのAI活用をはじめ、産学官によるオープンイノベーションの創出、フィジカルAIの開発・実証を推進する。
インフラ整備・管理でのAI活用を目指す施策も既に一部で進み始めている。河川巡視の高度化に向けては、AIを使って飛行映像から異常を自動抽出する技術開発を検討している。全国の地方整備局による実証を基にAI学習のベースとなる教師データを作成し、26年度もデータを拡充していく。
これらの取り組みにも目を配りながら、実証事業を通じてインフラ分野でのAI実装に拍車を掛けていく。
