現場打ち、プレキャスト(PCa)に続く“第3の工法”として注目を集める3Dプリンター技術の普及を見据え、大成建設と日揮グローバルが技術連携に乗り出した。特定プロジェクトでの協業にとどまらず、中長期的な連携も視野に入れる。両社によると、3Dプリンター分野で大手企業同士が本格的な連携体制を構築する事例はこれまでになく、施工技術の標準化や市場形成を後押しする動きとして注目される。=関連3面
両社はこれまでに建設用3Dプリンターの開発をそれぞれ独自に進めてきたが、大成建設はPCa部材を含めた大型RC部材への適用に課題があり、日揮グローバルは材料・構造実験データの不足という課題を抱えていた。そこで両社は2025年度から柱・梁・スラブの型枠を一体で造形した大型PCa部材の製作・施工技術の実装に向けた共同研究に着手した。
特に注目すべきは、大成建設が開発した高性能プリント材料を、日揮グローバルが保有するデンマークCOBOD社製の大型プリンターに適用した点にある。
従来、3Dプリンターは装置と材料がセットで開発されるのが一般的だったが、他社製装置でも性能が確保できることを実証。この取り組みは、土木学会が25年7月に発刊した「建設用3Dプリント埋設型枠を用いたコンクリート構造物の技術指針(案)」に基づき製作・施工を行った初の事例にもなるという。
まずは特定プロジェクトによる適用を目指し、27年度下期から28年度にかけての実装をマイルストーンとして設定する。両社は将来目標として現場の近くで印刷する『ニアサイトプリント』により、人工50%削減、コスト15%削減という目標を掲げる。
大成建設技術センターの木ノ村幸士社会基盤技術研究部先端構造研究室長は「各社が個別に技術開発を続けるだけでは、真の普及には至らない。今回の連携は、共通部分を標準化し、誰でも使える仕組みを作る『技術の民主化』への第一歩としたい」と述べた上で、「大手企業同士が手を取り合い、われわれの本気度を社会に示すことで、従来の常識を変えていきたい」と意気込みを語った。
