沖縄県豊見城市は、年間300万人以上が訪れる観光地・瀬長島の交通渋滞を解消する切り札として、次世代交通システムである自走式ロープウエーの実現を模索している。2023年10月に開発元のZip Infrastructure社と協定を結び、同社が手掛ける「Zippar(ジッパー)」の活用を見据えて検討に着手した。
ジッパーは、道路上空を走行し、輸送量はモノレールの半分程度だが、約5分の1のコストと工期で整備できるのが特徴だ。12人乗りの車両で最高時速36キロを見込む。
市は、実現に向けて24年度に導入検討調査を実施した。具体的に、瀬長島までを結ぶための起点となる那覇空港と沖縄都市モノレール「奥武山公園駅」の2ルートは、いずれも約9・5キロ、同「赤嶺駅」を起点とするルートは約7・5キロとし、計3ルートを設定した。ただ、導入検討に使ったパーソントリップ調査が20年以上前のものだったため、25年度に同調査を実施し、最新情報を収集した。
一方、33年に公共交通として運行実現を目標に掲げる同社は、福島県南相馬市で25年度に「福島試験線」を整備し、商業運転を見据えたテストに踏み出した。
市は、開発中の車両が安全性基準を満たし、運行テストの通過を確認した上で、事業の採算性調査に移行する方針だ。新たな公共システムが交通課題をいかに解決に導くか、今後の開発動向が注目される。

