日本建設業連合会(押味至一会長)と不動産協会(吉田淳一理事長)は1日、まちづくりを巡る諸課題の解決に向け、両団体の円滑な意思疎通を図る「持続可能な建設業及び不動産業の実現に向けた協議会」を立ち上げ、都内で初会合を開いた。
今後、協議会の下に実務者レベルの幹事会を置き、2、3カ月に1回程度のペースで会議を開催する。各回ごとにテーマを定めて議論を積み重ねる。詳細は現時点で未定だが、コスト変動要因に対する共通理解の獲得をはじめ、生産性を上げるための柔軟な働き方や技術的・制度的な方策などを探ることになりそうだ。協議会本体としては1年後をめどに、優先して解決に臨む課題の整理と両団体連携による具体的な取り組みの方針などをまとめる。
会合の冒頭、不動協の吉田理事長は「協議会立ち上げの発端は、建築工事費の高騰や供給制約により、多くのまちづくりプロジェクトが中止や先延ばしになったことにある。この状況が続けば、国土強靱化はもとより、インフラの機能更新やまちの魅力向上などに必要な事業が進まず、わが国の経済成長をも阻害する非常に由々しき事態になりかねない。一方、現在両業界が置かれている状況は、一つの業界の努力だけでは解決できないものも多く、業界の枠を越え、さまざまな当事者が問題意識を共有して取り組まなければ、直面する課題は解決できないと考えるに至った」と経緯を説明し、「不動産業は、民間建設工事の主要な発注者の一翼を担っている。民間発注者の代表という意識を持って、建設業界と同じ方向を向き、持続可能な両産業の実現を目指していきたい」とあいさつした。
続いて、日建連の押味会長は「生産年齢人口が大きく減少していく中、建設業がその役割を持続的に果たしていくためには、発注者、元請け建設会社、協力会社など全ての関係者が問題意識を共有し、連携して課題解決に取り組まなければならない。まずは、サプライチェーンの先頭に立つ発注者と元請けが、良好なパートナーシップを築くことが欠かせない。不動産業と建設業はまちづくりのパートナーであり、今後とも双方が持続的に役割を担っていけるよう、積極的に意見交換して相互理解を深めていきたい」と期待を込めた。
初会合に立ち会った金子恭之国土交通相は「大変意義の大きい歴史的な取り組みであり、国交省としても趣旨に全面的に賛同し、できる限りの応援をさせていただく。建設業と不動産業は、わが国の社会経済システムを支える基盤であり、一体的に発展していくことが重要だ。両業界の間で、相互の信頼関係を基礎としながら、円滑な意思疎通や課題の情報共有を積み重ね、良き関係を築いてもらいたい。建設業、不動産業の持続的な発展はもちろん、民間同士のパートナーシップの構築と連携強化のリーディングケースとなることを期待している」と述べた。
意見交換では、建築費高騰は、建設資材や設備機器の価格、人件費の上昇など複合的な要因によって発生しているとの認識を共有し、中でも電気、空調といった設備工事業の供給制約が主要因の一つとして話題に上った。不動協側は、建設業の重層下請け構造や下請けへの労務費の行き渡りなど、発注者として見えづらい情報の非対称性解消を求めた。施工現場の生産性向上のため、4週8閉所にこだわらない形でのシフト制休暇などを求める声もあった。
日建連側は、設計段階からのBIM利用や部材の規格化・標準化、施工のオフサイト化の促進など、建設生産プロセスを工業化する必要性を提唱。多々ある着工後の設計図書変更が、コストや工程に大きく影響していることも説明した。
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