
戸田建設と昭和商会(名古屋市、佐野修唯代表取締役)は、熱中症対策ウエア「ハイブリッド冷却作業着」を開発した。現場で広く使われているファン付き作業服は、外気温が35度を超える猛暑環境下では熱風を取り込み、十分な冷却効果を得にくい課題があった。そこで、外気温条件下で冷却部表面温度を最大で約22度低下できるペルチェデバイスを組み合わせ冷却性能を高めた。将来的には外部販売も視野に入れる。
ハイブリッド冷却作業着は、直流電流によって直接冷却する「ペルチェデバイス」、強力な送風を行う「空調ファン」、専用服地の3要素を最適に組み合わせた。
ペルチェデバイスは、直流電流を流すことで一方の面で吸熱し、もう一方の面で発熱する半導体熱電素子を利用した冷却装置だ。外気温条件下で冷却部表面温度を最大約22度低下できることを確認した。時間周期で冷却の強弱を変化させる「ゆらぎ制御」を採用したことも特徴で、体が冷感に慣れる現象を抑えながら、4時間以上の連続稼働を可能にした。
一方、空調ファンはバッテリー出力を15ボルトに高め、強力な送風によって気化熱効果を最大化した。さらに、空調ファンとペルチェデバイスを一体化した構造とすることで、従来のペルチェ式冷却装置で課題となっていた装着部周辺の熱こもりを解消した。
ペルチェデバイスは側面排気方式の独自形状を採用した。排熱口がふさがれにくいため、反射チョッキやフルハーネス型墜落制止用器具との併用が可能で、現場作業を妨げない実用的なデザインとなっている。
2025年度には試作モデルを実際の工事現場で検証した。アンケートでは約65%の作業員が「涼しくて良い」または「少し涼しい」と回答。従来のファン付き作業服と比較しても、7割以上が同等以上と評価した。また、そのうち半数以上が「涼しくて良い」「少し涼しい」と回答するなど、冷却効果への一定の評価を得た。6月から戸田建設の現場で導入を開始し、実運用を通じてさらなる改良を進める予定だ。
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