戸田建設とユーラスエナジーホールディングス(東京都千代田区、諏訪部哲也社長)は10日、将来のVPP(バーチャルパワープラント)事業の共同展開を見据え、需要家側蓄電池と空調設備を活用したシステム連携とVPP事業の実証を、戸田建設の筑波技術研究所(茨城県つくば市)で開始すると発表した。実証成果などを生かし、2028年度以降の電力市場参入を目指す。
需要家側蓄電池はこれまで、非常用電源やピークカットを主な用途として活用されてきた。一方、近年は再生可能エネルギーの導入拡大を背景に、これらの蓄電池を分散型リソースとして制御・集約し、電力需給を柔軟に調整するVPPへの活用が注目されている。今回の取り組みでは、需要家側蓄電池や空調設備を電力市場で活用した場合の経済性を検証し、需要家の電力コスト削減と電力系統の安定化を両立する仕組みの確立を目指す。
戸田建設は定置用蓄電池を筑波技術研究所に導入するとともに、施設の電力需要予測や空調設備の制御を行う「建物クラウド」を新たに開発。これをユーラスエナジーが保有・運用する総合VPPプラットフォーム「ReEra」と連携させる。
空調設備については、電力需給に応じて使用電力量を調整するDR(デマンドレスポンス)機能を構築し、電力市場に供出可能な調整力や制御追従性を検証する。DR指令がない時間帯には同機能を省エネルギー運用に活用し、一つのシステム基盤でDRと省エネの両立を図る。
今後は、26年度に電力計測環境の構築と空調設備制御の検証を実施し、27年度にはシステム連携と蓄電池導入を進める計画だ。
