国土交通省は、建設用3Dプリンターで造形したモルタル型枠を構造部材に使用した小規模建築物の技術的基準を公布・施行した。5月に施行した仕様基準とともに、今回の技術的基準を定めたことにより、通常の建築確認申請での手続きによる工事着手が事実上可能となった。従来必要だった国土交通大臣認定は不要となる。
小規模建築物は平屋建て200平方メートル以下、階高3・5メートル以下が対象。モルタル型枠を構造部材として使用し、型枠内部はRC造とする。モルタルとコンクリートの一体性を重視し、耐力壁の強度がRC造の建物と同等以上であり、力を加えた際にモルタル型枠がコンクリートからはく離、脱落しないことを第三者評価機関で確認する必要がある。
構造計算は不要とする代わりに、木造建築物の壁量計算で構造の安全性を確認する。建築物の縦横それぞれの方向の耐力壁の長さを合計し、床面積で割った数値が1平方メートル当たり12以上となることを原則とする。ただ、耐力壁の厚さが厚い場合やコンクリートの強度が高い場合は最大7まで下げられることが可能で、材料部分の強度を加味して基準を設定できるようにしている。
3Dプリンターに使用する材料は、建築基準法令上で強度などが定められていないため、建築物の構造部材として使用する場合は、建築基準法第20条に基づく構造方法の大臣認定を受ける必要がある。
国交省は、3Dプリンターで造形したモルタル構造部材を使った建築物を建てやすくするため、制度見直しを進めている。仕様基準を定めた小規模建築物は今後、実際の工事事例を踏まえて仕様基準の見直しを適宜検討していく。
中高層建築物に関しては、構造計算方法や構造安全性について検討を進めている。建築基準整備促進事業を通じて日本建築防災協会に委託し、使用材料の強度指定に必要なデータや技術的知見を整理している。
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