政府は24日、経済財政諮問会議と日本成長戦略会議の合同会議を東京・永田町の首相官邸で開き、戦略17分野の官民投資額として2040年度までの累計で370兆円超を見込むことを明らかにした。62の主要な製品・技術ごとの投資額も示し、フィジカルAI(人工知能)には10.5兆円、ペロブスカイト太陽電池を含む次世代型太陽電池に4.1兆円、洋上風力に5.1兆円を想定する。防災技術は、30年度までに2.6兆円になる見通しだ。加えて、第1次国土強靱化実施中期計画に基づき30年度までに官民あわせておおむね20兆円強とする投資額の一部活用も見込んでいる。
業界ごとの事情に応じて一部の目標年次が40年度以前の案件もあるため、累計投資額を370兆円「超」とした。主要な製品・技術などはLNG(液化天然ガス)運搬船が追加され、62製品・技術となった。国が投資を主導して民間投資を引き出し、国際競争力の強化につなげる。
主要な製品・技術などのロードマップ案を見ると、フィジカルAI分野では、スタートアップ(新興企業)からの発展を視野に多用途ロボットの製造環境の構築を進めるほか、ロボット基盤モデル開発を念頭にフィジカルAIモデルの研究開発に投資する。災害対応や建設・土木など公共調達分野で先行導入し需要を創出する。投資による経済波及効果は144.4兆円を見込む。
防災技術は、国土強靱化基本計画と第1次国土強靱化実施中期計画に基づく施策を集中的に推進するほか、デジタル新技術を活用した防災技術を事前防災、災害対応、復旧・復興の各フェーズに実装させるため、開発・実装を優先すべき研究テーマを設定して技術開発や実証を後押しする。経済波及効果は14.5兆円を見込んだ。
ペロブスカイト太陽電池を含む次世代型太陽電池は、40年までに約20ギガワットの導入目標を掲げて施策を展開する。国内で官公需を中心に導入してデータ蓄積や価格低減を進めると同時に、GX(グリーントランスフォーメーション)基金を活用した海外実証も展開する。投資による経済波及効果は22.9兆円と想定する。
洋上風力は、アジア太平洋向け風車製造拠点の創出に向け、海外風車メーカーの技術・投資の呼び込み、関連部品メーカーの設備投資を進める。浮体式のサプライチェーン構築に向けた研究開発・量産にも投資する。投資による経済波及効果は17.3兆円を見込む。
クラウド・データセンター(DC)、蓄電池には35年度までに32.7兆円を投資する。脱炭素電源を活用するDCの整備支援やGX戦略地域制度によるDCの集積地選定を通じて国内DCの立地を促進する。同時に、自律性を高めた蓄電池・電源システムの技術開発・製造基盤も確立する。投資による経済効果は107.1兆円を想定する。
