
国土交通省は成田空港施設の機能強化に向けて、2030年代に新たな旅客ターミナルや貨物取扱施設、鉄道施設の供用を目指す方針を固めた。旅客ターミナルは整備内容を具体化するため、成田国際空港会社(NAA)が中心になり航空事業者などを交えて協議する体制を整え、26年度中にマスタープランの策定作業に着手する。
成田空港では滑走路の新増設により、年間発着回数を現在の30万回から50万回に高めることを目指している。国交省はNAAの検討会がまとめた「新しい成田空港構想」も踏まえ、国際ハブ空港として必要な旅客・貨物取扱施設や鉄道アクセスの向上を議論する有識者検討会を設置して議論を重ねた。6日の会合で最終取りまとめを行い、機能強化の方針を決めた。
新旅客ターミナルは、集約ワンターミナル方式によるロングピア型の施設を整備する。航空旅客の取扱施設としての機能にとどまらず、商業施設、オフィスなどの都市機能を持たせるとともに、滞在価値の高い施設を目指す。鉄道やバス、タクシー、新モビリティーなどの2次交通との接続拠点として駅と直結させ「SORATO NRTエアポートシティ」の連携拠点の役割も担う。
整備は段階的に実施する。30年代に既存の第1―3ターミナルを運用しながら新旅客ターミナルを供用する。その後は需要動向に応じて新施設を拡張していく。拡張に伴い既存施設の運用を停止していき最終的にワンターミナル化を実現する。
貨物取扱施設は、新貨物地区に貨物上屋やフォワーダー施設を集約する。年間取扱容量は約350万トンを見込む。新貨物地区と圏央道を挟んで隣接するエリアは物流不動産事業者による開発計画があることから、新貨物地区と機能を分担し接続動線を確保するなど、一体的に運用していく。自動物流道路や自動運転トラックの導入を検討し貨物搬送の自動化を図る。NAAは関係者による協議会を設置し、施設整備のマスタープラン策定に向けて協議を進めている。30年代初頭の供用を目指す。
鉄道施設は、京成線で成田スカイアクセス線を高架・複線化し、現在の東成田駅付近に高架新駅を整備する。JR線は成田空港駅~空港第2ビル駅間で、既存の京成線を改軌して両駅のホームを増強するとともに両駅間を複線化する。鉄道事業者は30年代の供用に向けて、事業全体の技術的課題や事業費を精査した上で事業スキームについて国やNAAなどと協議を進め、26年度中に調査に着手する。
