日本建設産業職員労働組合協議会(日建協、青山敏幸議長)は8日、2026年賃金交渉の中間結果を発表した。これまでに妥結した31組合全てが、基本給のベースアップ(ベア)を獲得し、一時金は妥結30組合中24組合が前年より増額となった。また、新卒採用の競争激化を背景に、初任給30万円台以上の企業が大幅に増えた。
25年度は、民間分野を中心とした設備投資の加速と生産拡大などに伴う旺盛な建設需要を背景に受注高が積み上がったほか、選別受注による工事採算の改善で営業増益となる企業が多く、各社の業績は全体的に堅調に推移した。
日建協は、1月に代表者会議で機関決定した賃金交渉基本構想に基づき、統一スケジュール(要求日3月23日、指定回答日4月6日)の下、加盟組合が一体となって賃金水準の向上に取り組んだ。
月例賃金は、31組合が定期昇給を含めて前年実績以上の水準を確保した。ベアは、6組合が要求を上回る会社回答となり、17組合が組合要求を下回った。ベアの加重平均(35歳)の金額は1万8482円、上昇率は3・87%だった。定期昇給を合わせた昇給額の平均金額は2万7385円、上昇率は5・85%となっている。政府調達の総合評価落札方式における賃上げ実施企業に対する加点措置の継続に加え、政府主導の賃上げ政策や物価上昇が引き続き追い風になったとみている。
一時金は、増額が24組合、同額が5組合、減額が1組合で、平均は5・96カ月となっている。増額となった組合数は前年より4組合増えた。
初任給は23組合で引き上げられた。この全ては、組合要求によるものではなく、会社提示による引き上げだった。前年は初任給30万円台が8組合となり初めて最多層を占めたが、今年はさらに増加して14組合となった。31万円台も3組合、32万円台も1組合あった。全産業的に新卒採用競争が激化する中、建設各社も優秀な人材獲得に向けた処遇アップに動いている。
日建協は前年に引き続き、企業業績よりも政策や社会情勢によって、賃上げの大きな流れが作られた結果と分析する。今後も政府の賃上げ政策やその運用を注視するとともに、足元の物価高に対応する必要があるとしている。
27年度には、加盟組合と一体となって実現を目指す「あるべき賃金水準」と位置付ける「日建協個別賃金」を改定する予定。平均的な生活レベルに必要な「標準ライン」の現行は、大卒正社員35歳の年収を788万2050円に設定している。
