国土交通省は、出水期でも施工が可能な河川工事の工種と施工条件を整理した。これまで原則、期間中の施工を認めていなかった築堤盛り土や挺水護岸工など、堤防本体に影響がある工種でも工事前の治水機能を保持・回復する対策を講じることを条件に、施工できることを明確化した。国管理河川を対象に適用する。今回の措置により、河川工事のほぼ全工種で出水期の施工が可能となる。
これまでは、出水期は河川工事を行わないことを原則としていたが、施工可能とする工種を段階的に拡大している。この背景には、業界から求められている工事の平準化がある。出水期となる6―10月に工事を避けた場合、その後の非出水期に工事が集中することになる。業界からは、効率よく現場に技術者を配置できるよう河川工事の通年施工を要望されていた。
2017年度には、河道掘削・浚渫や天端舗装など工事関係者が資機材とともに待避ができる工事を対象に出水期施工を可能とした。次いで18年度には法尻護岸や矢板打設、地盤改良など施工可能工種を拡大。26年度からは高水護岸や堤防護岸、築堤盛り土(前腹付け)、川裏盛り土、低水護岸なども治水機能の保持・回復を条件に施工できるように措置した。
治水機能を保持・回復するために、工事箇所の全範囲を一度に施工せず、洪水が予測された時に元の形状に戻すことが可能な範囲に限定して施工するよう求める。築堤盛り土で堤防の川表側に断切りを行った際に洪水が予測された場合は、埋め戻しを実施し元の断面を復旧させる。
河川内に設置する橋台や橋脚、樋門などの構造物工事でも出水期施工を可能とする。堤防を一部開削して橋台を施工する場合は、堤防と同等の機能を持つように鋼矢板による仮締め切りを行い、河積を阻害する分は河道掘削により治水機能を確保する。

