国土交通省が建設業者を対象に行った調査によると、月給制を導入している企業は約7割に上り、未導入の企業も約3割は月給制への移行を検討していた。退職金制度については、建設業退職金共済制度(建退共)未加入でいずれの退職金制度も採用していない事業者が1割程度を占めた。建設業政策の新たなビジョン策定に向けて国交省が9日に初会合を開く検討会では、技能者の月給制移行や退職金制度が論点となる見通しだ。
社会保険加入や賃金支払いの実態把握のため2025年10、11月に実施した調査で確認した。無作為抽出した建設業許可業者3万5000社のうち、6051社から有効回答を得た。
給与形態は回答した4661社のうち「月給制」が74.0%と最も多く、「日給月給制」は24.5%、「日給日払いなど」は0.8%だった。
「日給月給制」「日給日払い」の事業者に月給制移行の検討状況を聞くと、「具体的な検討をしている」は4.5%、「具体的ではないが移行を考えている」が30.3%で、約3割の事業者が何らかの検討を進めていた。
退職金制度の導入状況については、回答のあった6051者のうち建退共に加入している事業者が62.3%に上った一方、これまで一度も建退共に加入していない事業者も31.3%いた。
建退共加入事業者、未加入事業者それぞれに他の退職金制度の利用状況を確認したところ、建退共加入事業者は「自社準備の退職金」が31.6%、「特定退職金共済」が28.3%などとなった。建退共のみの事業者は25.5%だった。
建退共未加入事業者は「中小企業退職金共済(中退共)」の利用が36.8%と最も多く、「自社準備の退職金」は25.4%、「特定退職金共済」は8.9%などとなっている。「いずれの退職金も利用していない」は30.5%に上り、回答者全体で見ると約1割を占めた。
国交省は建設業政策の新たなビジョンを策定するため、建設業団体や発注者団体、学識者による「持続的な成長産業としての建設業のあり方に関する検討会」の初会合を9日に開く。
検討会のベースとなった有識者勉強会の取りまとめでは、技能者の処遇改善に向けて月給制への転換や退職金の充実を政策検討のポイントに挙げており、議論の行方が注目される。
