大阪府は13日、大阪市内で第3回大阪府河川構造物等審議会(会長:建山和由立命館大教授)を開き、中間とりまとめ案を承認した=写真。立て坑内部の排水中に地下水の流入を確認したため工事を一時中断している「寝屋川北部地下河川城北立坑築造工事」の地下水流入抑制工法として「地盤凍結工法」を採用する。抑制工は同工事の施工者が実施することとし、2026年内にも開始する見通しだ。
同工法は他の工法より工期短縮が期待でき、より早く鶴見調整池の完成による治水効果が発揮できることから「妥当」と評価している。施工に当たっては、土質調査を追加実施するとともに、地下水位の監視や鉛直精度の確保を行うこととしている。
同審議会ではこれまで、地下水流入時の対応や地盤変状の恐れ、地下水流入原因の特定、適切な地下水流入抑制工法について議論してきた。
地下水流入時の対応や地盤変状の恐れについては、地下水流入時に立て坑排水を停止して、立て坑内に注水することで地下水位を回復し、地盤変状も生じていないため、応急対応は適切と評価。当初懸念していた地下水位の変化に起因する地盤変状のリスクも低いと判断した。
地下水流入原因については、側壁上部と水中コンクリートの付着力が不足し、水中コンクリートとケーソン側壁の界面のずれや水中コンクリートのひび割れが発生した可能性を指摘している。
工法の検討では地盤凍結工法のほか、薬液注入工法、地中連続壁工法、高圧噴射攪拌工法について比較検討した。地盤凍結以外の工法では周囲の地下水低下の恐れがあり、止水性が劣る。工期やコスト面でも地盤凍結工法が最も優れていると評価している。
寝屋川北部地下河川城北立坑築造工事では、大深度地下で整備する「北部地下河川鶴見調整池」のシールド工事発進立坑を築造している。外径は34.8m、掘削深度は102.2m。コンクリート構造で、自動化オープンケーソン工法により沈設を完了している。工事場所は大阪市城東区関目2。
戸田建設・ハンシン建設・大容建設JVの施工で2019年度から着手しており、26年6月の工事完了に向けて3月17日に立て坑内部の排水を始めたが、同月30日に地下水流入の可能性を確認。府が5月15日に工期延期を発表していた。
