JR東海は8日、リニア中央新幹線長野県駅(仮称)の駅舎外観デザイン案3案を公表した。駅舎全体のデザインコンセプトは「信州・伊那谷の景を未来と紡ぐ結いの舎」とし、長野県と飯田市が提示した自然の「風景」や伝統工芸などの「営み」のモチーフをもとに、周辺の景観や駅前広場空間との調和を目指している。
A案では、「信州・伊那谷の風景に流れる『ひとすじの帯』~のびやかな風景、水平方向に広がる景観~」をテーマに設定した。伊那谷の山並み、河岸段丘、天竜川などの雄大な自然風景が水平方向に流れる様子を「帯」として表現したデザインで、伝統工芸からイメージする繊細さやリニア中央新幹線の疾走感を示した。水平ラインが中央部で山なりになる形状はアルプスの山並みと「結い」を表現している。外壁色は金属調の無彩色とすることで、自然景観や駅前広場との調和を図りつつ、未来感を持たせる。
B案のテーマは「信州・伊那谷に包まれた『玄関口』~アルプスや伊那山地に包まれた谷地形、天竜川、伊那街道~」とした。天竜川を中心に中央アルプスや伊那山地で囲まれた伊那谷の地形と、「東国と西国」「山と海」を結ぶ結節点として発展してきた地域特性を重ね合わせ、「玄関口」として表現。左右の壁面で中央アルプスや南アルプス・伊那山地の山並みを表現し、中央部で各地を結ぶ結節点であるこの地に人々が集まる様子を表している。縦ラインを細やかに連続させることで伝統工芸などの繊細さを演出しており、外壁色は景観への調和と未来感を感じさせる金属調の無彩色としている。
C案は、「信州・伊那谷の風景にゆらめく『自然のうつろい』~光と影のうつろい、天竜川のきらめき、風景の変化~」がテーマ。多面的につなぎ合わせた外壁への光が刻々と変化し見え方が変わることにより、雄大な自然が見せるきらめきや陰影、伊那谷の伝統芸能の特徴である光と影を表現したほか、多面的につなぎ合わせてできる立体的で幾何学的なイメージにより、リニア中央新幹線の未来感を表した。このほか、外壁色を淡い山吹色などとすることで、朝や夕のうつろいをより一層感じられるようにしている。
今後は10月1日から12月28日にかけて意向調査を実施し、2027年3月下旬に長野県と飯田市からJR東海へ駅舎外観デザインの推薦案を提出する予定だ。
