三井住友建設は3日、京都大学大学院工学研究科建築学専攻の谷昌典教授と共同で開発を進めてきた梁端拡幅部で途中定着する「アンボンドプレキャストプレストレストコンクリート(アンボンドPCaPC)圧着工法」について、日本建築総合試験所の技術性能証明を国内で初めて取得したと発表した。狭小地での施工や長寿命建築の実現に向けた次世代プレキャスト(PCa)工法として展開する。
新工法は、梁端部に設けた「拡幅部」にアンボンドプレストレストコンクリート(PC)鋼棒を配置し、PCa梁部材と鉄筋コンクリート柱梁接合部を圧着接合することでラーメン架構を構築する。
従来のPC梁工法では、PC鋼材を使用して複数スパン単位で一体化するのが一般的だった。一方、新工法は梁端の拡幅部でPC鋼棒を定着・接合する方式を採用したことで、柱単位での接合が可能となり、施工計画の自由度が大幅に向上する。
施工面では、PCa梁部材の端部に主筋などの突出部がないため、柱間への「落とし込み施工」が可能となる。部材の取り付け方向の自由度が高く、分割施工にも対応できることから、敷地条件に制約のある都市部の狭小地などでの活用を見込む。
さらに、モルタル充●による一体化ではなく、アンボンドPC鋼棒による圧着接合を採用したことで、将来的な部材の分解・交換が容易となり、建物の改修や更新にも対応しやすい。長寿命化や資源循環の観点からも有効な工法として期待できる。
同社は今後も新たなPCa工法の開発を推進し、建設生産プロセスの効率化と品質向上を図るとともに、改修・更新を見据えた長寿命で付加価値の高い建築物の実現に貢献する。
