都道府県・政令市の発注工事で若手・女性技術者の登用拡大に向けた取り組みが浸透している。国土交通省の調査によると、総合評価方式での加点評価や現場配置・交代の柔軟化といった措置を講じている都道府県・政令市は全体の9割に達した。若手技術者の育成が急務となる中、現場経験の蓄積や技術者個人のライフイベントを考慮した対策が着実に広がっている。
調査は2026年度上期ブロック監理課長等会議に先立ち、都道府県・政令市の計67団体を対象に実施した。結果を見ると、全体の9割に当たる62団体で若手・女性技術者の登用拡大に向けた取り組みをしていた。特に総合評価方式で若手・女性技術者の配置を加点評価する対応が多く、50団体以上で実施していた。
主な取り組みを見ると、石川県は総合評価方式を適用し一定の要件を満たす工事で「技術者の実績」を評価項目にしない運用をしており、若手技術者への技術伝承を図っている。新潟市は当初設計金額1000万円以上の土木工事で女性・若手技術者の現場配置が確認できた場合に工事成績で加点評価している。
技術者個人のライフイベントを考慮して配置・交代を柔軟にする取り組みも広がっている。
神奈川県は総合評価方式での配置予定技術者の実績の評価期間に出産、育児、介護の休業期間が重なっている場合、対象期間に加えて休業期間分をさかのぼって評価している。例えば過去3年間の工事成績評定点を見る場合、配置予定技術者が直近で1年2カ月の休業を取得していると、2年度分を評価対象期間に加えて過去5年度の実績を対象としている。
福井県では現場代理人・主任技術者が育児休業などを取得する場合、これまでは技術者の変更が必要だったが、休暇期間が連続して14日以内であれば代理の配置により変更を不要とする対応を取っている。
直轄土木工事では監理技術者の高齢化と若手の減少を背景に、技術者の実績を評価対象としないWTO対象工事で、若手監理技術者の登用や柔軟な配置・交代を可能にする取り組みを25年度から始めている。
