国土交通省が地方自治体の維持管理業務の受注者を対象に実施した調査によると、人手不足や体制確保に課題を感じている建設企業が多く見られた。業務を効率的・円滑に実施するため、発注者の地方自治体に対しては、包括的民間委託制度や発注者支援制度の導入を求める意見が根強い。インフラを支える建設業が持続するための支援や随意契約の柔軟な活用を国に望む声も寄せられた。
地方自治体が管理するインフラ維持管理・更新の実態調査の一環で調べた。地方自治体発注の維持管理・更新業務を受注する建設企業2021社が回答した。
回答企業の職員数は「100人未満」が全体の8割に及んだ。このうち技術系については「4人以下」が25%、「5-9人」が24%と合計で半数を占める。
維持管理・更新業務の課題には「人手不足」を挙げる企業が7割に上る。都道府県、政令市、市区町村のいずれの階層でも最も多い。「専門技能者がいない」との回答も合わせると8割を超え、担い手確保に苦慮する実態が浮かぶ。
業務遂行の体制面に課題感を抱えている様子も目立つ。24時間対応や広範な作業エリアなど、維持管理業務の特殊性に起因する困難さを課題に挙げる声が少なくない。他業務と比べ低い利益率を問題視する回答も一定を占めた。
地方自治体に導入を求める制度としては、「包括的民間委託」を挙げる回答が多かった。村に所在する建設企業では、地方自治体の技術系職員の負担軽減を理由に「発注者支援制度」を望む声が強い。職員不足により事務手続きが円滑に進んでいないとの認識が背景にある。
長期契約の導入など契約・発注方式の見直しや物価上昇を踏まえた価格・単価のリスク対応の強化を求める意見もあった。
国に対しては、地域のインフラを支える建設業の維持に向けた支援強化を要望する声が各地方自治体の建設企業から共通して寄せられた。維持管理・更新予算の確保、新技術導入に対する支援、随意契約の柔軟な活用を求める意見も挙がった。
