2026年台風第25号は各地に大きな爪痕を残した。のり面崩落や冠水により道路の通行規制や鉄道が運転を見合わせているほか、千葉県が管理する北印旛沼・角川(成田市)で2カ所、長門川(栄町)の1カ所が決壊し、周辺で大規模な浸水被害が発生した。 =1面参照
千葉県では20日から21日にかけて、450mmを超える記録的な大雨となった。レベル4の大雨危険警報や土砂災害危険警報が相次いで発令され、小糸川や高崎川などではレベル5氾濫発生情報も出された。大雨により流入量が増加した高滝ダムでは一時、緊急放流の可能性も高まった。同県内の被害状況(24日午前11時時点)は死者7人、行方不明2人、軽傷者21人。住家は全壊26棟、半壊33棟、一部破損31棟、床上浸水464棟、床下浸水212棟に上った。
鉄道では土砂流入や線路冠水、倒木など被害箇所が広範囲にわたっていることから、運転見合わせなどが相次いでいる。内房線の姉ケ崎~木更津間は運転再開まで少なくとも3カ月程度、総武本線の榎戸~成東間は1カ月程度、成田線の佐原~銚子間は2週間程度、久留里線の木更津~久留里間は1週間程度を要するとみており、28日以降はバスによる代行輸送を検討している。久留里線の久留里~上総亀山間は、現時点で運転再開の見込みが立っていない。小湊鐵道の上総牛久~上総中野間は当分の間運休する。
道路でも通行止めが発生している。県が管理する道路(24日午前2時時点)では80カ所が交通規制を実施している。NEXCO東日本管内では復旧作業が進められ、23日午前1時10分までに通行止めは全区間で解除された。ただ、千葉東金道路山田IC~東金IC・JCT(下り線)ではしばらくの間、復旧作業に伴う走行車線規制を実施する。
神奈川県内にも被害が発生。三浦市(23日17時時点)では死亡1人、重症1人、行方不明1人の人的被害があった。旭小学校では体育館とその周辺に土砂が流入し、学校敷地内の立ち入りを制限するなどの対応を図った。同校は25日まで休校とし、28日以降は未定。土砂崩れは88件あった。
横浜市(22日時点)では人的被害はなかったものの、青葉区元石川町で倒木による一部損壊、南区永田北1で擁壁の崩壊による一部損壊、永田南2で崖崩れによる一部損壊など計3件の住家被害があった。このほか、道路陥没や崖崩れ、土砂流出、倒木、擁壁の崩落などの被害が42件だった。
関東地方整備局は自治体支援として千葉県、佐倉市、成田市、栄町にリエゾン(現地情報連絡員)を派遣した。23日にはTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)の派遣を開始し、同日午後3時時点で排水など担う応急対策班、被災状況調査班など21人日が出動している。
日本建設業連合会は災害時包括協定に基づき、北印旛沼での堤防破堤箇所(2カ所)の緊急復旧に対応。鹿島、大成建設の2社が担当者を派遣し、テックフォース、千葉県と共に現地調査を実施した。破堤した成田市下方地先(堤防決壊約50m)は千葉県、成田市船形干拓地先(堤防決壊約100m)は鹿島が初動対応することが決まった。
破堤対応とは別に関東整備局から河川の排水機場の燃料(灯油)の調達要請を受け、大林組が3万リットル、大成建設が5.1万リットルを運搬した。
