日本建設業連合会、全国建設業協会、全国中小建設業協会、建設産業専門団体連合会の建設業主要4団体は、28日に開かれた井林辰憲国土交通相との意見交換会で、賃上げや生産性向上の取り組み状況を報告した=写真。賃上げのベースとなる公共工事設計労務単価の政策的引き上げや、生産性向上の取り組みを後押しする支援策などを求める意見を表明した。
日本建設業連合会の蓮輪賢治副会長は賃上げ状況を把握するため、会員企業の協力会社の技能者を対象としたフォローアップ調査を11月に実施すると説明。労務費の行き渡りに関しては、会員調査で把握した課題の改善策を周知するとした。
2025年度は約7割の作業所で4週8閉所を実現した一方、依然として他産業と比べ長時間労働にあるとし、「引き続き取り組みを推進する」と述べた。生産性向上については「特に中小企業での取り組みには限界がある」と指摘し、元請けによる協力会社への業務効率化の支援を損金算入に認める税制改正を要望していることを紹介した。
全国建設業協会の今井雅則会長は、直近1年間で自社雇用する技能者の賃上げをした会員企業が約8割を占めた一方、国交省と申し合わせた6%以上の引き上げは2割に満たないとする会員調査の結果を説明。また、公共工事の労務費の行き渡りに向けて落札率に課題があるとし、入札契約制度の見直しを要望した。
29年度を目標年度とする生産性向上計画の主要指標の進捗(しんちょく)も報告。労働生産性を24年度比で9%向上させる目標に触れ、「入職したい職業にするためにはさらなるアップが必要だ」と述べた。全建が執行団体を務めた建設市場整備推進事業費補助金についても地域建設業のニーズが高いとし、さらなる拡充を求めた。
全国中小建設業協会の河崎茂会長は、会員企業を対象とした実態調査の8月時点の結果を取り上げた。約8割の企業が技能者の賃上げをしたものの、上げ幅は4%未満が大勢を占めているという。賃上げの原資となる公共工事設計労務単価については「酷暑で命の危険がある環境下の作業単価としては安いと感じる」との認識を示し、国による政策的な単価引き上げの検討を要望した。
建設産業専門団体連合会の岩田正吾会長は、安値で仕事を受注する価値観が依然として根強く、労務費の基準に基づく見積もり提出をためらう企業が見られるとし、「処遇改善を進めている企業が受注で苦慮している。設計労務単価並みの賃金をなかなか支払えないという声が多い」と実情を伝えた。また、業務量の繁閑対策も課題に挙げ「雇用維持に向け、忙しい地域から労働力として送り込めるよう建設業の新たなルール構築の検討をお願いしたい」と要請した。
