大阪市は、柴島浄水場再構築事業の見直しに着手する。上系エリアにある既存4系の耐震補強と同エリアでの新系整備を比較検討する。11月から耐震診断や方針の比較検討、耐震設計などを実施する業務に着手し、2027年秋に方針を決める。
大阪市内の浄水場は、柴島と庭窪、豊野の3カ所あり、合計の施設能力は日量243万m3。その水需要は年々減少しており、22年度の実績では、1日最大給水量が118万m3、1日平均が108万m3となっている。水需要の減少への対応と上町断層地震への備えとして、市は浄水場の再構築と耐震補強を進めている。
当初、柴島浄水場は上系エリアの2、4系を廃止し、下系エリアの1、3系に加え、新設の系統を整備し、日量118万m3の能力を70万m3に減少させ、将来的に1系を廃止する計画だった。再構築事業では、24年度から基本設計とPFI導入可能性調査を実施した。その結果、民間活力の導入により再整備する方向性を固め、27年度の事業着手を目指していた。
しかし、25年度末で基本設計が完了し、事業費を試算したところ、基本検討段階だった23年度の450億円に対し、25年度末の試算は1100億円に膨れ上がった。増額した650億円の内訳は、7割が施工内容の変更、3割が物価高騰などだった。同市水道事業の24年度給水収益は、585億円のため、事業の見直しを迫られた。
柴島浄水場は、上系エリア付近で淀川から取水している。当初計画の下系エリアに新系を新設するためには配水管を設ける必要があり、整備費が300億円と見積もられた。これを受け、下系ではなく、上系エリアでの新系の整備にするのか、4系の耐震補強にするのか、見直しに向けて舵を切った。
市は補正予算案に債務負担行為3億6000万円を業務委託費用として設定した。方針の決定後、29年度予算に事業費を計上し、同年度から事業に着手したい考えだ。
再構築事業の見直しにより、上部空間のまちづくりも変更する。上系エリアと隣接する配水池エリアの計12haを活用する想定だったが、8、9ha程度に見直す予定だ。
