日刊建設通信新聞社は、建設コンサルタント業務の売上高上位50社程度を対象に実施した総合評価入札に関するアンケートの結果をまとめた。回答があった36社の2025年度の受注金額は、前年度比6・5%増の1756億8000万円、受注件数は1・2%増の4643件となり、金額、件数ともに増えていた。受注率を高めるため、提案書の査読や磨き上げに各社が取り組んでいる傾向も鮮明になった。
受注件数を応札件数で割った受注率は全社平均で21・5%となり、前年度から1・3ポイント低下した。前年度より受注率を高めたのは14社、受注金額を伸ばしたのは21社となった。
受注金額の増加率が最も大きかったのは、オオバの428・8%増(24年度比25億6400万円増)の31億6200万円で、次いで中央復建コンサルタンツの120・2%増(15億4200万円増)の28億2500万円、アジア航測の62・8%増(32億2500万円増)の83億6300万円が続いた。
各社の受注率向上に向けた取り組みでは、技術提案書の査読やブラッシュアップが特に多く挙がった。社内で複数人によるチェックを行うほか、専門技術者や行政経験者を交えた検討会を開き、提案内容の改善を図っている。
具体的には、「上位技術者を交えたブレスト会議の実施」「模擬ヒアリングの実施」「技術提案書のマルチチェック・添削」「優良技術提案事例の共有化」といった回答があった。過去の高評価提案書を参考にした内容の改善や、提案書作成者への個別指導、社内評価会議など、作成から提出後の振り返りまでを見据えた取り組みも目立つ。応札結果や評価結果を分析し、次回の提案書作成に反映する動きが広がっている。
次いで多かったのは、積算精度の向上と、技術者・企業の基礎点を高める取り組みだ。複数人による積算やダブルチェック、積算内訳書の分析、積算に関する質問書の提出などを通じ、積算の精度を高めている。
各社からの回答では、「各拠点に積算担当を配置してダブルチェック機能を強化」「過年度応札した業務の積算照査に基づき積算精度の向上と落札動向の分析」といった内容が示された。また、「成果品質の向上や表彰獲得、若手技術者の育成、資格取得支援に注力」「次世代管理技術者となる若手技術者を育成している」との回答もあった。
AI(人工知能)やデジタル技術の活用も進んでいる。「提案書査読のAI活用」や「閲覧資料の読み込みによる記載キーワード漏れの回避」など、提案書の確認や資料分析に活用する事例が見られた。
発注者側の運用や入札状況の変化では、賃上げ、若手・女性技術者、ワーク・ライフ・バランス、CPD(継続教育)、地域貢献、資格など加点評価の対象が拡大・多様化しているとの意見が多かった。他方で拡大・多様化は、大手企業や若手有資格者を多く抱える企業が有利になるとの指摘もあった。
閲覧資料や積算内訳書の電子化、一括審査、提出書類の簡素化を評価する声がある一方、公開時期のばらつきや電子入札システムとのタイムラグ、発注者ごとの運用差を問題視する回答もあった。
改善点や要望では、技術力を適切に評価し、価格競争や基礎点偏重を是正するよう求める声が中心となった。技術点に差がつかず、調査基準価格近傍での価格競争や同点によるくじ引きが生じているため、技術点の比重を高めることや、調査基準価格・最低制限価格の引き上げを求める意見が寄せられた。
このほか、「公示から参加表明の提出期限までの期間を少なくとも2週間は設けてほしい」「評価結果は評価基準に対応して詳細に迅速に公表してもらいたい」「様式の簡略化、地整様式の統一」といった要望も目立った。

