【27年度内に策定】
大阪府と大阪市は4日、国が策定する「副首都整備方針」への提案材料に位置付ける「副首都・大阪成長ビジョン」の第1部となるビジョン編をまとめた。導入する機能や重点整備エリア、エリア間や関係地方自治体との連携、行政の運営体制などを盛り込んだ。11月中に国が示す整備方針に基づき、2027年3月に具体的な施策の第2部を加えた素案をまとめる。27年度内の策定を目指す。吉村洋文知事は「特に警察、消防、水道の機能を強化したい。東京都は強力な体制を構築しているが、東京が被災した時、大阪がバックアップする。特別区制度の副首都でないと不可能だ。そのためにも大阪都構想を目指す」と語った。
導入する機能は、東京圏が被災した際の国会やマスコミ、行政、司法、企業、金融機関の第二拠点。官邸機能やメディアセンター、中央省庁の地方支分局、防災庁の地方拠点などの機能を設ける副首都合同庁舎(仮称)を整備する。スタートアップ(新興企業)や企業の本社、第二本社、国の機関、国際機関、研究開発拠点などを誘致するほか、人材育成拠点やエンターテインメント都市などの形成による多極成長型経済圏の実現も狙う。
重点的に整備するエリアは、大阪市内が大手前、キタ、中之島、大阪城東部、ミナミ、夢洲と新大阪。府内全域では北摂、北河内・中河内、南河内、堺・泉州に区分けし、それぞれの特色を持たせた機能を集積する。
成長を支えるインフラ整備も盛り込んだ。リニア中央新幹線や北陸新幹線、なにわ筋線、大阪モノレールとJR桜島線の延伸、京奈和関空連絡道路などの整備を進めたい考えだ。
副首都独自の規制改革や権限委譲、特区制度による税制の特例措置、財政措置なども提案する見込み。
重点整備エリアと集積する機能は次のとおり。
▽大手前=首都機能バックアップ拠点、副首都合同庁舎(仮称)、西日本の司令塔となる消防・防災拠点、メディア拠点。
▽キタ=本社・第二本社、グローバル企業、金融機能、スタートアップ企業、インターナショナルスクール。
▽中之島=ディープテックの産業化、ライフサイエンス分野の研究開発、産業・研究人材育成、国際会議。
▽大阪城東部=特区制度の創設によるイノベーション拠点、フィジカルAI(人工知能)とものづくり技術による産業化、大阪公立大の機能強化。
▽ミナミ=エンターテインメント都市、ナイトエコノミー、食文化・アート・アリーナ・eスポーツ。
▽夢洲=IR(統合型リゾート)と万博レガシーを継承したまちづくり、大規模展示会、国際会議。
▽新大阪=新大阪駅周辺の再整備による滞留型機能、国際会議、メディア拠点、高速道路・関空・伊丹空港とのアクセス強化。
▽北摂=ライフサイエンス分野の研究開発、ディープテック産業、スタートアップ育成、データセンターを核とした拠点。
▽北河内・中河内=フィジカルAIとものづくり技術による産業、製造業の集積。
▽南河内=最先端介護モデル、スマート農業の実験場、周遊・体験型観光、防災拠点。
▽堺・泉州=AIデータセンターやグリーンエネルギーを集積させた臨海部産業、港湾と関空の機能強化、周遊・体験型観光。
