【町花の雪椿でハンドクリーム】新潟県阿賀町の魅力発信 巴山組 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

公式ブログ

【町花の雪椿でハンドクリーム】新潟県阿賀町の魅力発信 巴山組

 

雪椿の種から搾油した天然オイルを配合     

(新潟県阿賀町、猪俣茂社長)は、同町で発見・命名された雪椿の種から絞ったオイルを配合したハンドクリームを製品化し、販売を始めた。町花である雪椿を使った製品を通じて、地域の魅力を広く発信する。人口減少や過疎化といった地方の課題が同町にも押し寄せる中、地域と共にある地域建設業として地元の活力創出に貢献したい考えだ。

 「雪椿ハンドクリーム」には、同社が町内の休耕地で植樹・育成している雪椿の種子から搾油した希少な天然オイルを使っている。べたつかず、さらっとしながらも肌を保湿できるのが特徴だ。同社が企画からデザイン、販売を手掛け、製品の製造は大阪府の化粧品メーカーに委託している。構想から1年半をかけて販売にこぎ着けた。

製品のデザインは「狐の嫁入り行列」から着想


 白を基調としたデザインは、同町の一大イベントである「狐(きつね)の嫁入り行列」から着想を得た。猪俣一成専務は「花嫁が嫁入り前に自身をきれいにする和のイメージ」と説明する。同町の魅力を伝えるため、そうしたストーリー性を重視した。

 町内の温泉施設や道の駅、新潟市の新潟伊勢丹などで販売しており、インターネットでは取り扱っていない。猪俣専務は「雪椿ハンドクリームを買いに来て、町を知ってほしい」と思いを明かす。

 雪椿は日本海側の豪雪地帯など一部にしか自生していない希少種だ。同社は、その雪椿を地域活性化につなげようと「奥阿賀・緑の油田プロジェクト」に取り組み、雪椿の植樹から育成を手掛けて天然オイルを生産してきた。2011年には国土交通省の「建設企業の連携によるフロンティア事業」に認定された。

 休耕地は放っておくと猿やイノシシのすみかとなり、農作物が荒らされるため、そこで雪椿を育てて被害を防ぐ狙いもある。これまで雪椿のオイルによる食用油を販売していたが、今回新たにハンドクリームの製品化を実現した。

 猪俣専務は「これで収益を上げたいわけではない。あくまでも地域に活力を生みたい」と姿勢は一貫している。同社は災害対応や除雪を始め、長年にわたり同町を守り続けてきた。「地域があるからこそ地域建設業がある」。雪椿ハンドクリームには、同社の強い思いが込められている。


【公式ブログ】ほかの記事はこちらから


建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら