クローズアップ・国際的評価向上に貢献/OCAJIプロジェクト賞/海建協 | 建設通信新聞Digital

5月1日 木曜日

その他

クローズアップ・国際的評価向上に貢献/OCAJIプロジェクト賞/海建協

オフショアマリンセンター2
クロスボーダー道路網整備事業 パッケージA1 モドゥモティ橋
シンガポールチャンギ国際空港ターミナル2増改修工事
シンガポール国立がんセンター新築工事
東西経済回廊整備計画、パッケージ1、ジャイン・コーカレー橋建設事業
ナカラ港開発Ⅰ・Ⅱ期工事
バードパラダイス
【7件に栄誉、シンガポール最多4件/「重要課題」への対応重視】
 わが国建設業の海外でのプレゼンスを高め、継続的・安定的な海外活動の促進に寄与することを目的に、海外建設協会(佐々木正人会長)が2022年度に創設した『OCAJIプロジェクト賞』。24年度の第3回は、14カ国で実施された計18件の応募があり、表彰選考委員会(委員長・規矩大義関東学院理事長)による審査を経て、7件が受賞の栄誉に輝いた。国別では、シンガポールが最多の4件を占めた。五洋建設は連名受賞を含め、2件でのダブル受賞となった。 今回の募集対象は、22年1月から23年12月までに竣工・開業・供用開始した契約金額1億円以上の事業。発注者・顧客ニーズに対して、対象プロジェクトが適切なプロセス管理の下、「重要課題」に十分対応できたかを重視しながら審査した。
 1月30日には、都内のホテルで表彰式が盛大に開かれ、受賞各社の代表者に表彰状とクリスタルトロフィーが贈られた。佐々木会長は式典で、「コロナ禍や不安定な政治情勢など厳しい条件の中、卓越した技術と強い責任感の下にプロジェクトを完遂されたことで、わが国の建設企業の国際的な評価は一段と高まった。海外建設事業を取り巻く環境は厳しい状況にあるが、この表彰結果を積極的に広報することにより、わが国が生み出す付加価値の高いインフラシステムを広く紹介し、わが国建設企業の海外展開を支援していく」と話した。
 OCAJIプロジェクト賞は例年、4月に募集要項を公表し、6-7月にかけて候補案件を受け付けている。

 第3回の受賞プロジェクトは次のとおり((1)受賞者(2)実施者(3)事業概要)。
 ▽オフショアマリンセンター2(シンガポール)=(1)(2)五洋建設(3)シンガポール西部のチュアス地区に位置するオイル・ガスなど海洋資源開発関連企業の支援基地を設計施工で建設する工事で、主な施設は特殊船舶用の岸壁、オイルリグ関連資機材を組み立て・整備するためのバックヤード、管理棟、配電設備施設。
 ▽クロスボーダー道路網整備事業パッケージA1モドゥモティ橋(バングラデシュ)=(1)鉄建建設、横河ブリッジ(2)鉄建建設・AML・横河ブリッジJV(3)ガンジス川支流モドゥモティ川渡河箇所に新設された全長690mの6車線道路橋で、同橋が含まれるアジアハイウエー1号線のベナポール国境~ダッカ区間は、各種国際回廊計画において優先案件とされている。
 ▽シンガポール国立がんセンター新築工事(シンガポール)=(1)(2)清水建設(3)Singapore General Hospital(SGH)キャンパス内での大型再開発計画の一部で、最新の放射線治療、薬物療法、手術療法に対応した先進的な施設を備えている。特に、患者への負担を軽減する陽子線治療施設はアジア最大規模を誇る。
 ▽シンガポールチャンギ国際空港ターミナル2増改修工事(シンガポール)=(1)(2)竹中工務店(3)ターミナル全体の内装仕上げやチェックインカウンターの全面交換、出発到着ホールに面する外装カーテンウォールの一新、2300個の早期預入荷物用の格納棟新築工事と自動倉庫の設置などにより、第2ターミナルの最大利用客数は年間2300万人から2800万人に増加した。
 ▽東西経済回廊整備計画、パッケージ1、ジャイン・コーカレー橋建設事業(ミャンマー)=(1)安藤ハザマ、ピーエス・コンストラクション(2)安藤ハザマ・ピーエス・コンストラクションJV(3)起終点に配置されたアプローチ橋部と河川上に架かる主橋部からなる全7径間の橋梁。主橋部には日本で技術発展を遂げたエクストラドーズド橋、主桁構造には橋体自重の軽減とメンテナンスの低減を目的とした耐候性鋼板を用いた波形鋼板ウェブと広い幅員を支持するストラット構造が採用されている。
 ▽ナカラ港開発I・II期工事(モザンビーク)=(1)五洋建設、東亜建設工業(2)五洋建設・東亜建設工業JV(3)モザンビーク政府発注の有償円借款プロジェクトで、既存のナカラ港を増深、埋立により拡張し、コンテナ船専用ふ頭を含む既設港湾施設を再整備した。コンテナヤード、港湾アクセス道路、ゲート、上下水・電気通信設備の再整備に加え、将来のコンテナ取扱量増加に対応した設備を新規に整備した。
 ▽バードパラダイス(シンガポール)=(1)大林組(2)大林シンガポール(3)敷地面積約23万㎡にわたる新設の『鳥の動物園』で、400種を超える鳥類が3500羽以上飼育されている。バードパラダイスの鳥かご(エイビアリーメッシュ)は、世界最大級の大きさで、ステンレスのケーブルとメッシュで構築され、鳥の安全と健康を確保している。