箱根ケ崎延伸が都計決定/事業費は約1180億/多摩都市モノレールで東京都 | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

関東・甲信越

箱根ケ崎延伸が都計決定/事業費は約1180億/多摩都市モノレールで東京都

 東京都が計画する多摩都市モノレール延伸(上北台~箱根ケ崎)事業が大きく動き出す。都は、立川・福生の「都市高速鉄道都市モノレール第1号線」と関連する都市計画道路を都市計画決定した。2025年度予算案には多摩都市モノレール整備費として15億円を計上し、延伸整備に向けた調査や設計を進める考えだ。延伸に伴って七つの新駅が設置される見通しで、周辺まちづくりのさらなる進展も見込まれる。概算建設費には、約1180億円(税別、以下同)を想定している。 計画では、多摩都市モノレール上北台駅(東大和市上北台一丁目)を起点、JR八高線箱根ケ崎駅(瑞穂町箱根ケ崎)を終点とした約7㎞を延伸。東大和市と武蔵村山市の市境に1駅、武蔵村山市に4駅、瑞穂町に2駅の計7駅を新設する。
 11日に開かれた国土交通省の運輸審議会資料によると、概算建設費の内訳は、軌道・停留場などのインフラ部が822億円、インフラ外部では、測量・試験に17億円、終端車止めなどの軌道に1億円、運転保安設備・内装などの停留場に101億円、本社棟改修など諸建物に2億円、信号ケーブル、電車線(動力用電力供給)など電力・通信に54億円、変電所2カ所(用地費含む)に81億円、車両費(97億円)や人件費など、その他費用として103億円を見積もっている。支柱、桁、駅舎といった骨格を形成する構造物などは都が、券売機など運行・経営に要する箇所は事業者である多摩都市モノレールが整備する。
 工期は約10年。1-5年目に準備工事、2-7年目に軌道工事、5-10年目に駅舎工事、6-9年目に設備工事を進める予定。
 駅舎部は、No.1-6駅がコンコース階とホーム階の二層式、No.7が一層式とする。6日から縦覧している環境影響評価書では、駅舎は周辺環境や地域景観と調和するようデザイン、色彩などに配慮するとした。
 基礎・躯体工事での掘削土量は約11万0290m3、埋め戻し土量約7万3449m3、コンクリート打設量約3万4720m3、鋼材使用量は約1万2940tを見通す。掘削深さは、高架構造部(駅部、軌道部)で約3m(一部区間は最大約8m)を基本とし、起点方と残堀川付近の基礎杭のみ約13mで計画する。既往ボーリング調査による孔内水位は深さ約14~16m。
 小池百合子都知事は2月の施政方針で、25年度の事業着手を明言した上で「新設する7駅周辺に加え、諏訪・永山、多摩センター、南大沢といったニュータウンなど、拠点となるまちづくりも後押しする」と発言。24年1月の「『未来の東京』戦略」では、30年台半ばの開業を目指すとしている。
 関連する「多摩都市モノレール延伸部(箱根ケ崎方面)沿線のまちづくり検討業務委託」は日建設計総合研究所、「同(その2)その2」はエヌ・ティ・ティ・データ経営研究所、「同(その3)」は応用技術が担当している。