大成建設は、室内でも四季の移ろいを感じられる緑化技術「T-バイオフィリックグリーン」を開発した。自然の景観を模したプランターに、落葉樹を含む約60種の在来植物を植栽。従来は困難とされていた屋内での季節変化の演出を可能にした。オフィスビルや商業施設などへの提案を進めるとともに、将来的には造園事業者へのライセンス提供も視野に入れる。 四季の移ろいを体感できる室内空間を創出する場合、在来植物の多くは、寒暖差の大きい外気温の変化を感知して葉を広げて開花するため、植物の選定には室内外での温度変化を考慮する必要がある。
そのため、一般的な室内緑化では、温度変化の小さな環境で安定して生育できる熱帯性の観葉植物が用いられることが多かった。プランターも四角や円形などの人工的な形状・材質が多く、自然感を損なうことから、通常の室内空間で屋外同様の自然景観を演出するのは難しかった。
そこで、年間の温度変化の少ない沖縄など南方にも分布し、同社技術センター(横浜市)近くにも自生する種類を中心に2年間の室内生育試験を経て、室内でも生育可能な在来植物を選定した。
さらに植物を植えるステンレス製の大型プランターの露出部分を最小限にとどめることで、屋外の自然な形態を再現した。樹脂を混合した土壌でプランター外周部を覆い、固化してからエリア全体に土壌を敷き詰めて在来植物を植栽する。プランター枠の露出度の約98%削減を実現した。
一方、室内緑化は過剰な給水により室内の湿度が上昇するリスクがあるが、開発技術は植物の生育に必要な最低限の水やり頻度・量と保水性の高い土壌配合の組み合わせを最適化することで、従来の室内緑化に比べて水やり量の約80%削減も可能にした。
技術センターのエントランスホールで生育実験(5㎡)を実施。2022年2月から24年8月まで植栽した61種200株の植物は、追肥などもせず良好な伸長量と植被率を維持できた。
そのため、一般的な室内緑化では、温度変化の小さな環境で安定して生育できる熱帯性の観葉植物が用いられることが多かった。プランターも四角や円形などの人工的な形状・材質が多く、自然感を損なうことから、通常の室内空間で屋外同様の自然景観を演出するのは難しかった。
そこで、年間の温度変化の少ない沖縄など南方にも分布し、同社技術センター(横浜市)近くにも自生する種類を中心に2年間の室内生育試験を経て、室内でも生育可能な在来植物を選定した。
さらに植物を植えるステンレス製の大型プランターの露出部分を最小限にとどめることで、屋外の自然な形態を再現した。樹脂を混合した土壌でプランター外周部を覆い、固化してからエリア全体に土壌を敷き詰めて在来植物を植栽する。プランター枠の露出度の約98%削減を実現した。
一方、室内緑化は過剰な給水により室内の湿度が上昇するリスクがあるが、開発技術は植物の生育に必要な最低限の水やり頻度・量と保水性の高い土壌配合の組み合わせを最適化することで、従来の室内緑化に比べて水やり量の約80%削減も可能にした。
技術センターのエントランスホールで生育実験(5㎡)を実施。2022年2月から24年8月まで植栽した61種200株の植物は、追肥などもせず良好な伸長量と植被率を維持できた。